ケガではない痛み 四十肩

「二の腕が痛い」が自然発生した50代が知っておくべき3つのこと+α

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二の腕が痛いが自然発生した50代が知っておくべきこと
接骨院に来院される方たちの中で「二の腕が痛い」というケースがあります。上の写真は実際に二の腕が痛い患者さんにどこが痛いかを教えてもらったときの表現です(許可を取って掲載しております)

バットで殴られたから痛いというのであれば原因がハッキリしているのですが、重いものをもつ仕事で急に持てなくなってしまったり、久しぶりにスポーツをした後に急に痛くなってしまった、など特に悪いことをしたという自覚がないのに痛みが続く場合は注意が必要になります。

この記事では、50代以降の二の腕が痛くて困っている人が、自分のカラダに起こっていることを正しく理解し、どう行動すればいいのか?お伝えします。

この記事を読むことで

  • 自分の腕の痛みに対して正しい知識をもち悪化を防ぐことができる(予防)
  • 現在痛みがある場合、どうすればいいのかがわかる(行動)
  • どんな検査が有効か、どんな病院、接骨院を頼ればいいかがわかる(行動)

を理解して、正しい行動をとってもらえるようになります。

二の腕が痛い人にはどんなことが起こっているのか?

いきなり結論を申し上げますと、二の腕が痛い50代以降の方は腱板断裂や石灰沈着の恐れがあります。
これは四十肩の一種になりますので、自分でできること(テーピングやアイシング)はほとんど効果がありません。

言い換えると「二の腕が痛い」というのは四十肩の初期症状である、とも言えます


では二の腕が痛い人に起こってる可能性が高い「腱板断裂」と「石灰沈着」の二つはどのようなものかを解説したいと思います。

筋肉が切れていても気づかない?腱板断裂とは

聞きなれないかもしれませんが、腱板とは肩(肩甲骨まわり)にある4つの筋肉のことをいいます。
具体的には棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という筋肉です。
回旋腱板の図
図の引用;Richard L. Drake著、塩田浩平訳『グレイ解剖学』エルゼビア・ジャパン,2011年,p.656

これらの筋肉は肩関節を構成する上腕骨を回旋(=ひねる動き)させる筋肉なので「回旋腱板」とも呼ばれます。

特に棘上筋の腕側の付着部に断裂が見つかるケースが多いです。

これらの筋肉は50代を過ぎると自然に断裂していることが増えてくる傾向にあります。
年代ごとの腱板断裂の頻度
また断裂していても痛みを感じないケース(無症候性の断裂)が65%ほどあるため、気づかないうちに発症していることも多々あります。
腱板の無症候性断裂の割合
上記二つの図の引用;山本敦史「疫学ー症候性断裂と無症候性断裂ー」『関節外科 Vol.10』MEDICAL VIEW,2015年,pp.10-11

ですから症状はないけど実は四十肩になっていた、という人もときどき遭遇します。

突然の肩の激痛!石灰沈着とは

石灰沈着は筋肉の組織の中に石灰(小さなカルシウムの塊)が溜まってしまうことです。

石灰が溜まった状態で肩を動かそうとすると(腕を前から挙げる、腕を横から挙げるなど)激痛が走ることが多いです。
石灰が大きくなってしまった場合、滑液包というクッションの役割をする組織を破ってしまったり、身体が石灰自体を異物と認識してしまうことがあります。
こうなると白血球が石灰に攻撃をしてしまって最悪です。
じっとしていても激痛が走り、赤く腫れ、熱を持ってきます。
夜も眠れないくらいに痛みがでる場合があります。

氷で冷やしてもシップを貼っても基本的には効果は少ないので、そうならないうちに発見し、専門家に任せるのが一番です。


上記の二つに凍結肩という症状を加えたものが四十肩の三大分類になります。
ですが、凍結肩というのは痛みがなく本来柔らかい組織が固まって肩の動きの範囲が極端に少なくなっている状態ですので、この二の腕に痛みが出たばかりの時点では当てはまらないことが多いでしょう。

腱板断裂、石灰沈着が起こる→痛みなどで動かせない状態が続く→凍結肩発生

という順序で起こることが多いです。

「四十肩」に関する多い誤解

四十肩という診断名を聞いたことはみなさんも多いのではないでしょうか?
そしてみなさんの周りにも「経験者」の人がたくさんいると思います。私がこれまで多くの患者さんに四十肩について説明すると

  • 放っておいたら治ったって聞いた
  • 注射したら治ったって聞いた
  • 運動したら治ったって聞いた

という方がほとんどです。周りの経験者さんの情報を聞かされているようです。
ですが!その情報をおっしゃっている人とアナタの肩は違います!

その人は軽い石灰沈着で放っておいて消えたかもしれませんが、アナタは断裂しているかもしれません。

ここで重要なのは「周りの人に起こった症状と自分の症状が一緒とは限らない」ということを認識することです!
正しい検査をして正しい状況を把握し、正しい治療を受けましょう。

どのような検査が有効か

ではどのような検査が有効で正しいのか
肩に何が起こっているのかを検査する必要があります。
検査というとレントゲンを思い浮かべると思いますが、結論をいいますとレントゲンだけでは不十分です。

レントゲンは骨しかうつりません。
ですが腱板は筋肉なのでその断裂の様子を診るのには不向きです。

また石灰はカルシウムの塊なのでレントゲンにうつることもあるのですが、上腕骨や肩甲骨にかぶって隠されてしまうこともあり発見できない場合もあります。

MRIによる腱板断裂が発見できますが、専門家に中では部分断裂(筋肉の一部分だけ切れかかっている)の場合、MRIの精度が低くなるということを問題視している先生もいます。

有効なのはエコー検査(超音波による検査)です。

エコー検査のメリットは、リアルタイムで表示され、筋肉、骨、靭帯などさまざまな組織を描出することに適していることです。これによって患部をくまなく観察することができます。

デメリットとしては体表近くの組織しかうつせないことがありますが、今回の検査には問題ないものです。
当院での石灰沈着のエコー検査画像
石灰沈着のエコー画像

実際の当院での腱板断裂のエコー観察の様子をYoutubeで配信しております。こちらもご参考になさってください

まとめると
四十肩に有効な検査

となります。もしアナタが二の腕が痛くなり初診にかかろうとしているのであれば、エコー検査のあるところかどうか、ということを目安にしてみてはいかがでしょうか。

どのような治療・処置するのか?(参考)

ではこれらの症状を治すためにどのような治療・処置をするのでしょうか
一般的な治療方法をここで紹介しますが、あくまで参考までに、とお考えください。
※実際にかかられた病院、接骨院での治療を優先してください

腱板断裂の治療・処置

断裂の程度がひどい場合は手術になります。
軽い場合は筋肉の再生を促す超音波治療器を用いて再生させつつ、運動療法といったリハビリを組み合わせて肩関節の可動域が悪くならない(凍結肩を作らない)こと目的とした治療・施術になります。

まだ二の腕が痛い、という症状が発生してそんなに期間がたっていない場合、手術をしなければならいほどの断裂である可能性は少ないでしょうから、早めの検査を受けて早期回復されるように心がけるとよいでしょう。

石灰沈着の治療・処置

石灰が沈着していた場合は、主に三つになります。

  • 衝撃波による破壊
  • 注射による融解(溶かす)
  • 経過観察

衝撃波はいわゆる胆石や尿路結石などで石が詰まっているものを破壊するのと同じです。
ですが設備があるところがまだ少ないです。

注射による融解は小さめの石灰の状態では有効ですが、あまり大きい場合は効果が薄いです。

経過観察というのは、様子をみるということです。
小さい石灰は必ずしも大きな石灰になっていくわけではなくそのまま消滅していくケースもたくさんあります。

「四十肩だったけど、放っておいたら治ったよ」
とおっしゃる方はこのケースだったと思われます。

なので2~3週間後に再度エコー検査をして石灰の大きさの変化を診る場合もあります。

ただし小さい石灰だった場合、という条件付きになりますので検査も何もせずに放っておくのはオススメいたしません。

まとめ

「二の腕が痛い」という症状が自然発生したら・・・

  • 腕が悪いのではなく四十肩の初期症状であるケースが多い
  • エコー検査がある接骨院や病院を選択する
  • 早めの検査を受けて正しく症状を理解し、早めの治療に入ることが悪化を防ぐ

+アルファとして

  • 周りの人の体験談は自分のケースと違うものと考える

となります。何の知識もなく様子を診るだけでは症状は進行してしまいます。
自分だけで頑張らずにキチンと専門家に相談しましょう。

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