ページが見つかりませんでした – いろは接骨院 https://168168168.jp 今話題の筋膜リリース施術が受けられる三重県四日市市の実力派接骨院 Fri, 15 Dec 2023 00:57:06 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.1.5 【マンガでわかる四十肩】腕を前や外側からあげると肩から二の腕に痛みがでる原因と改善法 https://168168168.jp/periarthritis-of-the-shoulder/back-shoulder-pain/ Fri, 04 Feb 2022 11:35:51 +0000 https://168168168.jp/?p=4186
こんな症状で困っていませんか?

このブログは次のようなお悩みをお持ちの方に向けて書いています。

  • 腕を前や外側からあげると肩から二の腕にかけて痛みが走る
  • 夜寝ていて寝返りをすると痛みで目が覚める
  • 痛みが出た後しばらく(数分~数十分)引きずる
  • 痛みが出る位置がころころと変わり押したりしてもわかりにくい

これらはいわゆる四十肩と呼ばれる疾患の症状になります。
上記の症状があり、すでに病院や接骨院で筋肉や関節に運動療法をうけている人も少なくないでしょう。
しかし通院してもあまり効果が感じらない場合、それは神経の圧迫が原因になっているかもしれません。
なかなか痛みが取れないというのは不安に感じてしまいますよね。このブログはアナタの四十肩が上記のような症状がでる原因と当院でおこなっている改善法を書いております。

どうして神経が原因になるのか?

神経の圧迫ってなに?

神経は筋肉と骨のすき間や筋肉自体をとおりぬけて分布する部位に向かいます。筋肉でできたトンネルを神経がとおり抜けるイメージを持つとわかりやすいかもしれません。

肩の周辺には筋肉がたくさんあるので、このトンネルがたくさんできています。これが腕をあげたり、寝返りをうって体勢が変わると筋肉が引っ張られ、そのトンネルがせまくなって神経が締め付けられるのです。

痛い場所がわかりにくい?

神経がしめつけられると、その神経が分布している部位を「痛みが発生している場所」と脳がカン違いします。ですが痛みを感じている位置に原因があるわけではないので、その場所を押しても痛みがありません。ですから痛みの位置がハッキリとわかりにくいのです。

よくある神経の圧迫の症例

当院によく来院する「腕をあげると肩の外側から二の腕にかけてが痛む」患者さんを例にあげてみましょう。

患者さんの痛みをうったえる部位はこの辺りになります。

患者さんの痛がる位置

その部位を担当している神経は「上外側上腕皮神経」という神経です(先ほどの図のように腋窩神経という神経の名前で呼ばれる場合もあります)。
上外側上腕皮神経の走行はこの図のようになります。

神経の走行図

すこしわかりにくいと思うので、カラダの上にのせるとこんな位置になります。こうすることで神経の位置と痛がる場所が一致しているのがわかると思います


この筋肉と骨のすき間を通りぬけて、カラダの表面に近い部分に神経が出てきます。この位置で神経が締め付けられると考えると先ほどの場所が痛むのがわかるかと思います。

どうすれば痛みが治まりやすくなるか

実際に治すには?

この神経の圧迫を取り除いていくことが痛みをとる手段になります。

上に書いてある上外側上腕皮神経がしめつけられている場合、トンネルを構成している筋肉が3つあります。上腕三頭筋、大円筋、小円筋という筋肉です。あと骨が1つあるんですが、骨をうごかすことは難しいので筋肉だけを見ていきましょう。
これらの筋肉にアプローチしてトンネルを大きくすることができると神経の圧迫が取れ痛みが改善します。
実際に施術として行うと次のようになります。

実際の施術はどんな流れになる?

当院でのやり方にはなりますが、一例として実際の施術の流れを紹介します。

1.神経以外の原因がないかチェックする(主に初診時)

実際に施術をしようとするときに神経の可能性が高いとはいえ、他の原因がないかのチェックが必要です。
エコーによる観察を行い、筋肉の断裂や石灰の沈着がないかを調べる必要があります。これらがなく痛みが発生する場合や、患者さんの痛みの訴え方をきいて神経が締め付けられているケースを疑います。

2.腕をうごかして痛みがでる場所を確認

先ほどの上外側上腕皮神経の場合だと肩の後方や外側の辺りを指し示す形になりますが、違う範囲をおっしゃる患者さんもいます。例えば肩の前のほうだとこれは違う神経が原因となっていることがあります。
患者さんの痛みがどの神経が原因になっているのかを見極めなければなりません。

主な神経とその分布の図がありましたので引用して掲載しておきますね(患者さんはここまで調べる必要はあんまりないですけど笑)

3.神経の圧迫をしている筋肉をリリースしていく

どの神経がしめつけられているか見極められたら圧迫の原因となっている筋肉にアプローチをしていきます。
先ほどの上外側上腕皮神経だと下図の上腕三頭筋、大円筋、小円筋がリリースのターゲットとなり、すき間を拡げたいトンネルがQLSと表記されています。

画像引用:脊椎エコーのすべて 頸肩腕部痛腰臀部痛治療のために 日本医事新報社

4.動きや痛みの出方の変化をみる

うまく神経の圧迫が変えられると、その場で動きや痛みが変化することも少なくありません。痛みが少しでも減ると患者さんはカラダだけでなく気持ちもラクになるので表情もかわったりします。圧迫されている場所も一カ所とは限らないので少しずつ変化する場合もありますが、何にも変わらないというのはありません。

5.2~4を繰り返していく

痛みのでる範囲を確認しながら、そこの原因となっている神経の走行を考えます。そのとおりみちとなっているトンネルが狭くなる部分をひろげてまた確認。

これの繰り返すことで患者さんは徐々に痛みが取れていき、腕の上がりといった可動域も拡がっていくことが多いです。

まとめ

今回の内容はいかがだったでしょうか?
ご自身で対処できそうなことがあれば、ブログを参考にぜひ試されてみてください!

痛みも強く、もしご自身での対処が難しそうであれば、お近くの整形・整骨院で一度診てもらうことをオススメします。

当院でも今回の症状に対する専門的な施術を行っておりますので、三重県にお住まいの方は、一度当院のHPのほうもご覧になられてみてくださいね!

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腰の真ん中が痛い!背骨に痛みがある腰痛の2つの原因と改善法 https://168168168.jp/acute-back-pain/facet-joints-release/ https://168168168.jp/acute-back-pain/facet-joints-release/#respond Thu, 03 Feb 2022 04:06:02 +0000 http://168168168.jp/?p=2585 腰の真ん中が痛い
三重県四日市市でいろは接骨院の院長、服部です。

わたくしも経験がありますが、腰が痛いのはホントに辛いですよね。
アナタも早く何とかしたいと思ってこの記事にたどり着いたかもしれません。

当院ではこれまで数多くの腰痛の患者さんに対して治療(施術)をさせていただきました。
このブログではその症例の解説します。腰痛でお困りの方が、自分になにが起こっているのか?を少しでも理解して治療を受ける際に安心してもらいたいからです。

また正確な原因の究明なくして早期回復はありません。お仕事に早く復帰するためにもこの記事を参考にしてもらえばと思います。

今回は痛みの場所を聞いたときに腰の真ん中に痛みを訴える患者さんは何が原因なのかを解説していきたいと思います。

背骨付近で痛みの原因となる組織

いきなり結論となる部分を書きます。
痛みの自覚症状が腰の左右に対して真ん中付近の場合、次の二つが主な原因です

  • 椎間関節
  • 多裂筋

ちょっと専門的になってしまいますが、痛みが出ている部分には何の組織があるのかを知らなければ前に進めません。これらがどんなものなのかを少し見ていきましょう。

椎間関節

腰椎の椎体の上関節突起と下関節突起からなる関節が椎間関節です。椎間関節性腰痛という言葉もあります。
棘突起と呼ばれる背骨の真ん中の突起(背中の中心で触れる部分)から2~3㎝左右の外側かつ1㎝ほどお尻の方にずれ込んだ場所にあります。

腰の真ん中が痛い原因の椎間関節
椎間関節の役割は腰椎の前後の動きに対応しています。ですから椎間関節の関節包にファシアの重積と呼ばれる硬さがあると動きが悪くなり炎症や痛みの原因となります。

またファシアに存在する痛みを感知する神経が過敏に反応してしまい少しの刺激で痛みを感じることになります。

多裂筋(の筋膜)

多裂筋は腰椎の棘突起と椎間関節の間にある筋肉です。
脊柱起立筋の内側にある筋肉で椎体の棘突起についているので右の多裂筋が働くと身体は左にひねられ、左の多裂筋が働くと身体は右にひねられます。

腰の真ん中が痛い原因の多裂筋

※引用文献「ファッシャルリリーステクニック 身体構造のバランスを整える筋膜リリース技術」James Earls & Thomas Myers
(※緑の矢印が多裂筋)

腰が痛い際に起こっているのは多裂筋にキズなどがついてるわけではなく、多裂筋の筋膜にこちらもファシアの重積が溜まり多裂筋の働きを阻害しているために筋肉に硬さがうまれます。
それによって多裂筋が伸ばされる状態で痛みを感じる、というわけです。

ファシアの重積とは
聞きなれない言葉である「ファシアの重積」とはどんなものか?ということを他のページでも書いてありますのでご一読ください
https://168168168.jp/iroha-do/fascia-release/

その他の組織

いろは接骨院
以上の二つが主な原因となります(腫瘍などの接骨院で診れないものは省いてあります)。この二つを疑って切り分けし、治療に入るわけです

患者美
先生、いわゆるヘルニアってのは背骨のところで発生するんではないんですか?

いろは接骨院

椎間板ヘルニアは確かに背骨の椎骨のところで発生しますが、痛みを訴える位置が違います。
ヘルニアや脊柱管狭窄症で痛みを訴えるときはお尻の下から太ももの裏といった坐骨神経の位置を痛いとおっしゃることが多いです

患者美
子供の場合も同じですか?

いろは接骨院
いい質問ですね
子供さんの場合、腰痛を訴えるのは要注意です。
とくに背骨付近では腰椎分離症すべり症といった骨の負傷を伴っているケースがあるからです

患者美
どんな子供さんがなりやすいですか?

いろは接骨院
バレーボールやハンドボールといったカラダを反らせることの多いスポーツ、部活をやっていたら可能性が高くなりますね
そんなときはレントゲンを撮りに行ってもらうのも一つの選択肢です。

二つの組織の鑑別の方法

二つの組織のうち、どちらが原因なのかをはっきりとさせなければなりません。
そのために次の3つの手順を使って確定していきます。

  • 動きによる痛みの発生の仕方
  • 押して痛い場所
  •  エコーによるファシアの重積の確認

実際の患者さんのケースをご紹介しますので、それぞれどんなものか見ていきましょう。

実際の患者さんの主な訴え

患者さんからの来院前のLINE(言いにくい笑)です


おじぎや後ろへ反らす動きが相当痛いとのことです。
ちなみにお仕事はパーソナルトレーナーさんです(許可を取っての掲載です)。

来院後に痛みの場所を確認しました。

いろは接骨院
痛みの場所はどこですか?

A さん
真ん中あたりなんですよね

と答えこの辺を指さしました。


これは背骨の椎間関節の位置を示していました。

動きによる痛みの発生確認

先ほどの項目でも書きましたが多裂筋は身体をひねる動作を、椎間関節は身体を前後に倒すときにたくさん動くことになります。

なので、この二つの動きをしてもらうことが切り分けの第一歩となります。
(写真は実際の患者さんに後日送っていただきました。ありがとうございます)

椎間関節が悪い場合に痛い動き

多裂筋が悪い場合に痛い動き

LINEでのおっしゃっているように前後の動きが痛いとのこと=椎間関節の原因である可能性が高そうです。

圧痛(押して痛い)箇所の確認

押して痛みの発生する位置で鑑別をします。

ファシアの重積がある部分は押されるとなんとも言われぬ痛みが発生します。
ズキっという早い痛みもあればズーンという遅い痛みの場合もあります。

痛みがでる位置はこのようになります

椎間関節が悪いときに押して痛い場所

椎間関節(緑の〇)という部分が押して痛くなります。背骨の出っ張りから大体2~3cm離れたところがピンポイントで痛みます

多裂筋が悪いときに押して痛い場所

青の多裂筋という部分が押していたくなります。背骨から3~4cmくらいまでが痛むことが多いです。

エコーによる確認

実際にカラダの中を見ることのできるエコー観察を行うことで実際のファシアの重積が確認できます。

エコーで精査をしましたところ、椎間関節の真上というよりはほんの少しズレたところにファシアの重積が強くでていることがわかりました。

どうやって改善するの?

当院でのやり方にはなりますが、実際にこの患者さんに行った施術をご紹介します。

超音波治療器でファシアの重積に熱を加える

筋膜リリースの施術を行う前に超音波治療器を用いて、患部に熱を加えます。これによって重積となっている部分が柔らかくなりリリースがかかりやすくなります。

ファシアリリース治療(施術)を実施

熱を加えたあとで当院で行っているファシアリリース治療を行いました。
※画像はイメージです

筋膜リリース

エコーの画像はこちらになります。エコー画像

エコー観察をした椎間関節の部分だけでなく胸腰筋膜のリリースもプラスアルファとしておこなうと腰痛には効き目がありますのでそちらも実施しました。

ファシアリリース・筋膜リリースのいろは接骨院での考え方はこちら
https://168168168.jp/iroha-do/fascia-release/

痛みの確認をする

最初に痛みの出た動きと同じ動きをしてもらい、現在の痛みを数字で表してもらいます

いろは接骨院

最初の痛みを10とするといま痛みはどれくらいですか?

A さん
3くらいです

いろは接骨院

それなら十分ですね
もしまた調子悪くなったらきてください

2日後

A さん
(初診日:10→3)→(昨日:3)→(本日:5)くらいになったから一応きました。

とおっしゃって再度来院されました。
で施術したら1になったとのこと。

1になったらもう自然にしていても痛みが引いていくと思います。

いろは接骨院
これにて施術終了ですが、ファシアの重積が溜まりやすい身体の使い方をしているんでしょう。
ぎっくり腰の予防のために月に一度くらいメンテナンスにこれば痛みがでるリスクがかなり減らせると思いますよ

とオススメさせていただきました。

まとめ

いろは接骨院
背骨付近の腰痛は椎間関節多裂筋が大きな原因といえます。
動きや圧痛(押して痛い)部分を調べることでどちらか見分けることができます。

この記事がみなさんの腰痛の原因を突き止める参考になれば幸いです。
キチンと原因を把握してキチンとそれを除去してあげれば今回のように少ない回数で治療が完了することも多いです。

治療(施術)自体は専門家に任せましょうね

腰の真ん中が痛くてお困りの方
お気軽にお問合せください
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「二の腕が痛い」が自然発生した50代が知っておくべき3つのこと+α https://168168168.jp/periarthritis-of-the-shoulder/arm-shoulder-pain/ Thu, 10 Jan 2019 02:10:19 +0000 http://168168168.jp/?p=3703 二の腕が痛いが自然発生した50代が知っておくべきこと


接骨院に来院される方たちの中で「二の腕が痛い」というケースがあります。上の写真は実際に二の腕が痛い患者さんにどこが痛いかを教えてもらったときの表現です(許可を取って掲載しております)

バットで殴られたから痛いというのであれば原因がハッキリしているのですが、重いものをもつ仕事で急に持てなくなってしまったり、久しぶりにスポーツをした後に急に痛くなってしまった、など特に悪いことをしたという自覚がないのに痛みが続く場合は注意が必要になります。

この記事では、50代以降の二の腕が痛くて困っている人が、自分のカラダに起こっていることを正しく理解し、どう行動すればいいのか?お伝えします。

この記事を読むことで

  • 自分の腕の痛みに対して正しい知識をもち悪化を防ぐことができる(予防)
  • 現在痛みがある場合、どうすればいいのかがわかる(行動)
  • どんな検査が有効か、どんな病院、接骨院を頼ればいいかがわかる(行動)

を理解して、正しい行動をとってもらえるようになります。

二の腕が痛い人にはどんなことが起こっているのか?

いきなり結論を申し上げますと、二の腕が痛い50代以降の方は腱板断裂や石灰沈着の恐れがあります。
これは四十肩の一種になりますので、自分でできること(テーピングやアイシング)はほとんど効果がありません。

言い換えると「二の腕が痛い」というのは四十肩の初期症状である、とも言えます


では二の腕が痛い人に起こってる可能性が高い「腱板断裂」と「石灰沈着」の二つはどのようなものかを解説したいと思います。

筋肉が切れていても気づかない?腱板断裂とは

回旋腱板の図

聞きなれないかもしれませんが、腱板とは肩(肩甲骨まわり)にある4つの筋肉のことをいいます。
具体的には棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という筋肉です。

図の引用;Richard L. Drake著、塩田浩平訳『グレイ解剖学』エルゼビア・ジャパン,2011年,p.656

これらの筋肉は肩関節を構成する上腕骨を回旋(=ひねる動き)させる筋肉なので「回旋腱板」とも呼ばれます。

特に棘上筋の腕側の付着部に断裂が見つかるケースが多いです。

年代ごとの腱板断裂の頻度
腱板の無症候性断裂の割合

これらの筋肉は50代を過ぎると自然に断裂していることが増えてくる傾向にあります。

また断裂していても痛みを感じないケース(無症候性の断裂)が65%ほどあるため、気づかないうちに発症していることも多々あります。

上記二つの図の引用;山本敦史「疫学ー症候性断裂と無症候性断裂ー」『関節外科 Vol.10』MEDICAL VIEW,2015年,pp.10-11

ですから症状はないけど実は四十肩になっていた、という人もときどき遭遇します。

突然の肩の激痛!石灰沈着とは

石灰沈着は筋肉の組織の中に石灰(小さなカルシウムの塊)が溜まってしまうことです。

石灰が溜まった状態で肩を動かそうとすると(腕を前から挙げる、腕を横から挙げるなど)激痛が走ることが多いです。
石灰が大きくなってしまった場合、滑液包というクッションの役割をする組織を破ってしまったり、身体が石灰自体を異物と認識してしまうことがあります。
こうなると白血球が石灰に攻撃をしてしまって最悪です。
じっとしていても激痛が走り、赤く腫れ、熱を持ってきます。
夜も眠れないくらいに痛みがでる場合があります。

氷で冷やしてもシップを貼っても基本的には効果は少ないので、そうならないうちに発見し、専門家に任せるのが一番です。


上記の二つに凍結肩という症状を加えたものが四十肩の三大分類になります。
ですが、凍結肩というのは痛みがなく本来柔らかい組織が固まって肩の動きの範囲が極端に少なくなっている状態ですので、この二の腕に痛みが出たばかりの時点では当てはまらないことが多いでしょう。

腱板断裂、石灰沈着が起こる→痛みなどで動かせない状態が続く→凍結肩発生

という順序で起こることが多いです。

「四十肩」に関する多い誤解

四十肩という診断名を聞いたことはみなさんも多いのではないでしょうか?
そしてみなさんの周りにも「経験者」の人がたくさんいると思います。私がこれまで多くの患者さんに四十肩について説明すると

  • 放っておいたら治ったって聞いた
  • 注射したら治ったって聞いた
  • 運動したら治ったって聞いた

という方がほとんどです。周りの経験者さんの情報を聞かされているようです。
ですが!その情報をおっしゃっている人とアナタの肩は違います!

その人は軽い石灰沈着で放っておいて消えたかもしれませんが、アナタは断裂しているかもしれません。

ここで重要なのは「周りの人に起こった症状と自分の症状が一緒とは限らない」ということを認識することです!
正しい検査をして正しい状況を把握し、正しい治療を受けましょう。

どのような検査が有効か

ではどのような検査が有効で正しいのか
肩に何が起こっているのかを検査する必要があります。
検査というとレントゲンを思い浮かべると思いますが、結論をいいますとレントゲンだけでは不十分です。

レントゲンは骨しかうつりません。
ですが腱板は筋肉なのでその断裂の様子を診るのには不向きです。

また石灰はカルシウムの塊なのでレントゲンにうつることもあるのですが、上腕骨や肩甲骨にかぶって隠されてしまうこともあり発見できない場合もあります。

MRIによる腱板断裂が発見できますが、専門家に中では部分断裂(筋肉の一部分だけ切れかかっている)の場合、MRIの精度が低くなるということを問題視している先生もいます。

有効なのはエコー検査(超音波による検査)です。

エコー検査のメリットは、リアルタイムで表示され、筋肉、骨、靭帯などさまざまな組織を描出することに適していることです。これによって患部をくまなく観察することができます。

石灰沈着のエコー画像

デメリットとしては体表近くの組織しかうつせないことがありますが、今回の検査には問題ないものです。
当院での石灰沈着のエコー検査画像

実際の当院での腱板断裂のエコー観察の様子をYoutubeで配信しております。こちらもご参考になさってください
https://youtu.be/EJza9M_x6xY

まとめると

四十肩に有効な検査

となります。もしアナタが二の腕が痛くなり初診にかかろうとしているのであれば、エコー検査のあるところかどうか、ということを目安にしてみてはいかがでしょうか。

どのような治療・処置するのか?(参考)

ではこれらの症状を治すためにどのような治療・処置をするのでしょうか
一般的な治療方法をここで紹介しますが、あくまで参考までに、とお考えください。
※実際にかかられた病院、接骨院での治療を優先してください

腱板断裂の治療・処置

断裂の程度がひどい場合は手術になります。
軽い場合は筋肉の再生を促す超音波治療器を用いて再生させつつ、運動療法といったリハビリを組み合わせて肩関節の可動域が悪くならない(凍結肩を作らない)こと目的とした治療・施術になります。

まだ二の腕が痛い、という症状が発生してそんなに期間がたっていない場合、手術をしなければならいほどの断裂である可能性は少ないでしょうから、早めの検査を受けて早期回復されるように心がけるとよいでしょう。

石灰沈着の治療・処置

石灰が沈着していた場合は、主に三つになります。

  • 衝撃波による破壊
  • 注射による融解(溶かす)
  • 経過観察

衝撃波はいわゆる胆石や尿路結石などで石が詰まっているものを破壊するのと同じです。
ですが設備があるところがまだ少ないです。

注射による融解は小さめの石灰の状態では有効ですが、あまり大きい場合は効果が薄いです。

経過観察というのは、様子をみるということです。
小さい石灰は必ずしも大きな石灰になっていくわけではなくそのまま消滅していくケースもたくさんあります。

「四十肩だったけど、放っておいたら治ったよ」
とおっしゃる方はこのケースだったと思われます。

なので2~3週間後に再度エコー検査をして石灰の大きさの変化を診る場合もあります。

ただし小さい石灰だった場合、という条件付きになりますので検査も何もせずに放っておくのはオススメいたしません。

まとめ

「二の腕が痛い」という症状が自然発生したら・・・

  • 腕が悪いのではなく四十肩の初期症状であるケースが多い
  • エコー検査がある接骨院や病院を選択する
  • 早めの検査を受けて正しく症状を理解し、早めの治療に入ることが悪化を防ぐ

+アルファとして

  • 周りの人の体験談は自分のケースと違うものと考える

今回の内容はいかがだったでしょうか?
ご自身で対処できそうなことがあれば、ブログを参考にぜひ試されてみてください!

痛みも強く、もしご自身での対処が難しそうであれば、お近くの整形・整骨院で一度診てもらうことをオススメします。

当院でも四十肩の症状に対する専門的な施術を行っておりますので、三重県にお住まいの方は、一度当院のHPのほうもご覧になられてみてくださいね!

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「足の舟状骨が筋肉で離れてる」って骨折なの?どうすればいい? https://168168168.jp/sports-disorders/painful-outside-the-tibia-question/ https://168168168.jp/sports-disorders/painful-outside-the-tibia-question/#respond Mon, 29 Jan 2018 00:23:36 +0000 http://168168168.jp/?p=3562 舟状骨が離れてる?骨折なの?タイトル画像
いろは接骨院の服部です。
今回もSNSを通じてご質問をいただきましたのでご紹介します。
質問のやり取りをこうやって記事にさせていただくと他の人のためにもなるのでどしどしご質問ください。

質問内容

舟状骨が筋によって離れているけどどうすればいいかという質問

15歳サッカー&バスケ女子 さん
病院で見てもらいましたが
舟状骨の骨が筋肉によって離れていると言われました。どーすればいいでしょうか

 

いろは接骨院の回答

いろは接骨院
まずは痛みの出方が重要です。足をひねったりして痛みが発生した場合、(もともと離れている骨がさらに)骨折の可能性もありますので次のことを参考にしてください

 

足の舟状骨の痛みについて

ここからは足の舟状骨に痛みがある場合について紹介していきたいと思います。
まず舟状骨はココにあります。
舟状骨の位置
この位置に痛みがでた場合、次のような傷病が疑われます。
 

舟状骨骨折

今回、質問をいただいた方が15歳ということですので、その年齢とスポーツを頑張っているという環境を考えると、次にでてくる有痛性外脛骨の可能性が高いと思われます。しかし、痛みが出始めたきっかけとして軽い捻挫を繰り返していたとのことですので、舟状骨にキズがついて骨折しているという可能性もあります。
 
骨折というとレントゲンを撮れば診断がつきそうなものですが、もともと外脛骨として骨が二つに分かれていた場合、その判断は非常に困難なものになります。
 
万が一骨折していた場合、非常に骨のつきが悪いことが多いため、しっかりと固定をすることが必須となります(下にも書いてあります)。
 

有痛性外脛骨

有痛性外脛骨についてはこちらの記事に詳しく書いておりますので、ここではカンタンに説明いたします。
https://168168168.jp/painful-outside-the-tibia/
 
10歳前後になるともともと二つの骨だった舟状骨がひとつの骨に癒合されます。これがうまくできない状態が外脛骨といわれます。
 
しかし、癒合がされずに二つに分かれていても痛みが出る場合とでない場合があって、痛みがあるものを有痛性の外脛骨とよびます。
 

後脛骨筋付着部症

舟状骨骨折と同様に外傷のようなきっかけがあって痛みがでることが多いです。
こちらの記事に詳しく書いてありますのでご参考にしてください。
https://168168168.jp/pain-inside-of-foot/
 

舟状骨の痛みの見分け方

上記の3つの症例ですが、どのように見分けるのでしょうか?
今回はもともと舟状骨が二つの状態であることを前提として紹介します。

レントゲン

もともと舟状骨が二分されていることを考えるとレントゲンのみの判断は少し弱いかもしれません。
今回の質問してくださった方のように捻挫の既往や発生原因がなければ、レントゲンだけでの判断も可能かもしれませんね
 

エコー観察装置

エコー観察ではドップラー機能を使った血流反応の有無を確認することが可能です。
この血流反応がみられる場合、舟状骨骨折の可能性が高いです。
舟状骨に血流反応がある画像
患者さまのご協力のもと掲載しております。
 

治療について

舟状骨骨折、後脛骨筋付着部症

患部のしっかりとした固定が必須となります。
当院の臨床経験としては一か月を超える固定を行いました。
後脛骨筋付着部症でも後脛骨筋にキズがついていることが多いため、初期に行う治療としては固定になります。
舟状骨骨折に使うギブス画像
当院でよく使われるインソール組込式U字ギブスシーネ
 

有痛性外脛骨

筋膜整復による全身に対する施術が有効です。
基本的に若年層に起こる傷病なので痛みをとる施術を行うことによる効果は大きいです。治りもいいといえます。当院では2~3回の施術を行うことで痛みをほぼなくしています。
 

まとめ

舟状骨が割れている場合に注意すべきは、自然に痛くなったものか、それともひねるなどの発生原因があったかという点になります。
 
それはすなわち骨折が潜んでいる可能性でありその有無の確認が重要となります。もちろんひねったから必ず骨折というわけではないのですが、レントゲンでも見つけにくいということを理解しておけば、もし治りが悪かった時にいろんな選択肢がでてくるのではないでしょうか。
 

いろは接骨院
いずれにしても自分ひとりでテーピングなどで解決できるわけではありませんので専門家に診せることをおススメいたします。

※決して今回行かれた病院が間違っているということを言いたいわけではありません。
このような可能性やケースがあるという一例をご紹介させていただきましたのでご了承ください

舟状骨の痛みでお困りの方
お気軽にお問合せください
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成長期の膝が痛い!オスグッドの原因・症状・治療法とは https://168168168.jp/sports-disorders/what-is-osgood-disease/ https://168168168.jp/sports-disorders/what-is-osgood-disease/#respond Sun, 21 Jan 2018 14:58:10 +0000 http://168168168.jp/?p=3515 成長期の膝

いろは接骨院には子供の患者さんがたくさん見えます。
部活や少年団でスポーツをしているとどうしてもケガというのはつきものです。しかし、はっきりとしたケガではなく自然と膝が痛くなってくる子供も少なからず存在します。

今回はそんな成長期の膝の痛み、オスグッドについて解説したいと思います。

オスグッドの原因から症状、そして治療法までをわかりやすく解説しています。

この記事を読むことで自分やお子さんの膝に起こっている症状を理解してお悩みを少しでも早く解決できれば、と思います。

オスグッドってどんな症状?

オスグッド(正式にはオスグッド・シュラッター病といいます)は子どもの成長期に膝のお皿の下にあるすねの骨に変形や痛みがでるものです。
結構有名な名前みたいで患者さんのお母さんも「オスグッドでしょうか?」みたいなことを聞いてきたりします。

成長期にグングンと身長が伸びることにより骨の伸びに筋肉がついていけず引っ張られるという説が主ですが背が全然伸びていないし変形もないのに痛みが出るコもいたりします。

すねの骨の変形

変形は出るお子さんと出ないお子さんがいます。
ちょうど膝蓋靭帯という靭帯が付く位置に成長軟骨が存在するために引っ張られて変形すると言われています。
オスグッドによるすねの骨が出っ張る

膝の痛み

先ほどの写真の位置に痛みがでます。
ジッとしてるときに痛いという子もいれば、しゃがむと痛い、走ったりジャンプしたりすると痛い、というお子さんもいるようです。

変形が原因で痛みが出ていると思われがちですが、変形があっても痛くない場合や、変形がなくても痛い場合もあり、一概に変形=痛みの原因とはいかないようです。

検査方法

オスグッドの検査はレントゲンやエコーなどが主流です。

レントゲン

レントゲンは骨の変形を主に診ます。
というか骨しか映らないので変形がない場合には異状ないといわれるかもしれません。

エコー(超音波観察装置)

エコーは骨の表面の様子と患部の血流反応が診られます。
成長期の軟骨には血流反応が診られることが多いのでそれが炎症反応と同じ症状を引き起こしている場合もあります。
エコーによる骨の不整像
オスグッドのエコー画像
※当院の患者さまに協力いただきました

なぜ変形が起こるのか

太ももの前に大腿四頭筋が存在します。この筋肉(特に大腿直筋)の終着地点がすねの骨の上部になります。成長期にはこの終着地点がまだ軟骨の状態です。軟骨はその名の通り柔らかい骨です。
この柔らかい軟骨に大腿四頭筋の引っ張る力が加わることで変形がおこるとされています。

大腿四頭筋の付け根がまだ軟骨で変形する

オスグッドの治療とは

一般的なオスグッドはテーピングやマッサージ、ストレッチなどで治療されることが多いです。
当院でも以前から良く行われていましたが、最近は筋膜を正しい状態にする「筋膜整復術」をメインにしております。

筋膜整復

これまでのオスグッドの認識は先ほどにも書いた「大腿四頭筋」がすねの骨を引っ張ることが原因とされていました。
しかし、変形していても痛くない子もいるという事実の説明がつかなくなります。

そこで新しい考え方「筋筋膜経線(通称:アナトミートレイン)」を取り入れて治療を行っております。

これまで痛みの原因と考えられていたすねの骨を引っ張る大腿四頭筋は、全身に張り巡らされた筋膜のラインの一部分という考え方です。

下の写真をご覧ください。
かかとから始まった筋膜がふくらはぎ→太もも→腰→背中と登っていき、最後は後頭部までつながっています。
オスグッドの筋膜の連結
引用文献1)

このような筋膜のラインが体には何本も存在しており、その途中の筋膜の一部が歪む(伸びない・縮まない)ことによって違う部分にストレスがかかります。
オスグッドのアナトミートレイン
引用文献1)

ストレスがかかった状態で日常生活やスポーツなどを行っていることにより、そのストレスの繰り返しにより痛みの刺激が発生するという考え方です。

ストレスをかける原因となっている一部の筋膜の歪みを整復することで痛みをかなり取ることができます。

痛みを早く取りたい方や、他の治療(ストレッチやテーピング、マッサージなど)をしていてもあまり変化がなく困っている方にはオススメです。

テーピングやストレッチは意味ない?

当院でも以前はオスグッドにもテーピングやストレッチの指導をしていましたが、あまり効果があるとは言えませんでした。
アナトミートレインの考え方を用いると、膝の部分にかかるストレスは大腿四頭筋だけで起こっているわけではないのです。
ですから四頭筋だけをターゲットにしてテーピングを貼ったり、ストレッチをしても効果が少ないと考えています。

まとめ

いろは接骨院
この記事ではオスグッドについての解説を行ってきました。
子供の膝の痛みでお悩みの場合、少しでも参考になって早く痛みが取れることを願っています。

膝の痛みで部活や試合に悔いを残さないようにできるお手伝いをいろは接骨院では行っています。
太もものテーピングやマッサージなどを行っても変化がない場合、ひとりで悩まずに一度ご相談ください

オスグッドでお困りの方
お気軽にお問合せ・ご予約ください
059-333-4155

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引用文献
1)「ファッシャルリリーステクニック 身体構造のバランスを整える筋膜リリース技術」James Earls & Thomas Myers

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かかとや足の裏が痛い!足底筋膜炎を根本から治す筋膜整復法 https://168168168.jp/sports-disorders/plantar-fasciitis-how-to-heal/ https://168168168.jp/sports-disorders/plantar-fasciitis-how-to-heal/#respond Sat, 20 Jan 2018 05:20:27 +0000 http://168168168.jp/?p=3430 かかとが痛い
たくさん歩いたあとや地面に足をつけるだけでかかとが痛いという傷病があります。
整形外科にいってレントゲンを撮ってもらって、骨のでっぱりの有無を確認してもらい、それがない場合は「足底筋膜炎だね」と言われるようです。
 
趣味のジョギングや立ち仕事、または体重が重いせいでなったんですかね、なんて言われることもあるかもしれません。
しかし、同じように立ち仕事をしている人が全員痛いわけではありませんし、もっと太っている人でも痛くない人がほとんどです。
 
いったいなぜ自分だけ痛い?と不安に思うかもしれません
なぜ自分だけ日常生活やスポーツに支障をきたしているのか?と不満に思うかもしれません。
 
この記事ではそんな足底筋膜炎に困っている人が笑顔で日常生活やスポーツを再開できるための治療法について書いてあります。
 

これまでの主な治療とは

これまで足底筋膜炎に対する主な治療はテーピングとインソールでした。
当院でも行ってきましたが、この二つでは足底筋膜炎が治る場合と治りにくい場合がありました。
 

テーピング

かかとにある脂肪体をまとめるテーピングになります。
youtubeでやり方をアップしているのでご覧いただけると幸いです


 

インソール

インソールは足の歪みを矯正することでかかとの骨の配列を整えます。
これによってしっかりとしたポジションの足で着地することになり、衝撃に耐える力がつきます。
 

二つの治療の共通点

これまで、この二つの治療である程度の結果をだしてきました。
でも先ほども書きましたが、良くなる場合とならない場合がありました。
この二つの治療の共通点は「足底」をターゲットにしていることです。
 
新たな治療はどこが違うのでしょうか?
 

足底筋膜炎に対する筋膜整復治療とは

新しい治療法はこれまでの足底筋膜炎の治療の概念を覆します。
足底筋膜炎という傷病の認識ですら変わりました。
というよりは認識を変えないと痛みが取れなかった、という表現が正しいでしょう。
 

これまでの治療と何が違うのか

これまでの治療では足底筋膜炎に対して「足底」や「足底筋膜」をターゲットにしていました。
足底筋膜炎の痛みをなくすために行う治療が劇的に成果をあげるようになったのはそのターゲットを全身に広げたことです。
全身にある筋膜の、一部で起こっている歪みを見つけてそれに対しての治療を行います。
 
手技の名前としては筋膜整復といたします。
 
この全身の筋膜を整復することで次のようなメリットがあります。
 

筋膜整復法のメリットとは

この治療法を用いると痛みが即効で減ります。
2~3回から数回の施術で痛みがほぼなくなります。

なぜそんなことが可能なのか?まだ理解できませんよね。
これまでの足底筋膜炎の認識では
 
「炎症が起こってるからそれが引くまで痛い」
 
「太っているから痩せるまで衝撃は減らないから治らない」
 
そんなふうに思っている患者さんからするビックリする事実です。
 
どのような理由で痛みが取れるのか?ということを以下に説明させていただきます。
 

なぜ痛みがとれるのか

そもそも治療とは痛みの原因を取り除くものです。
 
なぜ痛みが取れるのかを理解するために痛みについて理解してもらう必要があります。
専門的な言葉はなるべく控えて書いてありますので気軽に読んでみてください。
 

痛みの発生は神経×刺激

痛みが発生するメカニズムは次の式で表現できます。すいません、院長バリバリの理系人間なのでこんな説明になります。
 
痛み発生=痛覚神経×痛みの刺激
 
式の右辺は掛け算ですのでどちらかがゼロのときは痛みは発生しません。
痛みの神経(以下、痛覚神経)がないところに刺激を加えても痛みを感じません。
肘をギューっとつねっても痛くないですよね?
 
また同様に痛みの神経があるところでも痛みの刺激がなければ痛くないです。
 
逆に痛みが強くなるのは「痛覚神経が豊富にあるところ」に「痛みの刺激がたくさんかかった」場合であるといえます。
 
強い痛み=豊富な痛覚神経×豊富な刺激
 

痛みをなくすための条件

先ほどの式で痛みが強くなる条件は「痛覚神経が豊富にある」×「刺激がたくさんある」ことでした。
 
この式の「痛みの発生」をゼロにするためには痛覚神経をゼロにするか、刺激をゼロにするかのどちらかになるのはお分かりいただけるでしょう。
 
しかし痛覚神経を物理的に筋膜からなくすことはできませんよね。
ですから痛みをとるには刺激のほうをなくすという手段をとるしかありません。
 
痛みを無くす=刺激をゼロにする
 
ではこの刺激をなくすためにどうすればいいのでしょうか
 

足底筋膜への刺激はどこからくるか

これまで足底筋膜炎というと「足底筋膜」が原因だと思われていました。
 
しかし筋筋膜経線という考え方を用いると足底筋膜を含む筋膜は全身に走っていることがわかりました。
 
足底筋膜の筋膜連結
引用文献「ファッシャルリリーステクニック 身体構造のバランスを整える筋膜リリース技術」James Earls & Thomas Myers
 
足底筋膜はかかとを通る筋膜のラインの一部分でしかなかったのです。
 
ですからこれまでの足底をターゲットにした治療(テーピングやインソール)で治る人たちもいました。
それは足底筋膜だけが悪かった人たちです。
 
全身に走る筋膜がどのようにかかとへの刺激になるかをカンタンにイメージしていただこうと思います。
 
もしアナタがいま長袖のシャツを身に着けていたら、肘を直角に曲げたまま、二の腕のところの衣類をグッと握ってみてください。
その状態のまま肘を伸ばすと通常よりも袖がまくりあがります。
 
シャツが筋膜だと考えるとぐっと握られた部分が筋膜の歪みで、まくりあがった袖が患部へのストレスです。

足底筋膜炎の筋膜の歪み
 
足底筋膜の歪み
 
このように一部の筋膜に歪みが出た状態のまま生活やスポーツをしていると離れたところで筋膜にストレスがかかっています。
これが痛みの刺激となっていくのです。
 
一部の筋膜に歪み→違う場所にストレス→スポーツなどで繰り返される→痛みの刺激となる
 
足底筋膜炎の原因
 

足底筋膜炎の痛みを取るためには

カラダのどこかで起こっている筋膜の歪みを見つけて、それを取り除くことが足底筋膜炎の痛みをなくす治療手段となるのです。
 
足底筋膜炎の治療方法
 

実際の症例

ここからは当院に実際に来られた患者さんの症例を紹介しながら治療法をごらんいただきます。
 

患者さんの主な訴え

50代女性
半年ほど前にたくさん歩いたときからカカトが痛くなった

50代女性Mさん
病院ではレーザー治療、整体で全身マッサージをしてました。治療をすると数日間はいいのだけどまた戻るの繰り返し
 
何とか完治したいです

 

筋膜のチェックとリリース

筋膜のラインの途中(骨盤部)までは分岐がありませんのでチェックとリリースが同時進行となります。
 
足底部→下腿部→大腿部→骨盤までを行いました。
その後、体幹のひねりなどの可動範囲をみて動きの悪さを取っていく筋膜ラインを決めていきます。
 

各部のリリースと痛みの変化(初回)

かかとに近い部位から順番にチェックとリリースを行い、その都度、痛みを数値で言ってもらいました。
最初の痛みを10として表現してもらいます。
 
足底リリース後 10→8
下腿(ふくらはぎ、すね)リリース後 8→6
大腿(ふともも)リリース後 6→2
ここでかなりの変化がでましたね
骨盤と腹斜筋(脇腹の筋肉) 2のまま
 
ここから先はあまり変化が認められないかな、と思ったのでテーピングを施して一回目の施術が終了しました。
 

各部のリリースと痛みの変化(2回目)

初回から3日後にもう一度施術をさせていただきました。
スタートの時点ですでに3くらいの痛みしかありません。
 
今回も大腿リリースの後に変化を感じられたようですが、少し痛みが残るとのこと。
このくらいになると最初の痛みからすると2くらいになっているので細かい数値化が難しいみたいです。
 

いろは接骨院
かかとの他に何か不調はないですか?

50代女性Mさん
右手の腱鞘炎がずっとあります

 
右手からの筋膜のラインと左足からくる筋膜のラインが共有される右の前鋸筋の動きをみると異常な硬さがありました。
 
足底筋膜炎の原因の前鋸筋
※画像は違う患者さんです。前鋸筋も左前鋸筋になっています。

 
この前鋸筋の筋膜を調整すると、かかとの痛みだけでなく右手の腱鞘炎の痛みはほとんど無くなりました。 
左足のかかとの痛みと右手の痛みの原因が同じだなんてなかなか考えられないですよね
 
この時点でカカトを押しても痛くないとのことでしたが、違和感を感じていると言っていたのでテーピングをしたら痛みがなくなったとおっしゃっていました。
 
これまでの治療であるインソールやテーピングとのハイブリッドの治療をするのもありだなあと感じました。
 

まとめ

全身に広がる筋膜のどこかに歪みがでるとそれが違う場所でのストレスになっていることがあり、足底筋膜炎の原因は足底筋膜だけでないことが多いです。
 
今回は太ももの筋膜と肩甲骨周りの筋膜の異常がかかとの痛みの原因でした。
 

いろは接骨院
どこの部分が原因か、というのは人それぞれ違うものであり、やっているスポーツの特性や生活習慣などが多く関連しているように感じます。
 
もしあなたがいま足底筋膜炎の治療をされていてあまり変化を感じないようでしたら、一度当院の施術をお試しいただいてもいいかもしれませんね

 

足底筋膜炎でお困りの方
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シンスプリントの回復を劇的に早めて試合に間に合わせる治療法 https://168168168.jp/sports-disorders/shin-splints-how-to-heal/ https://168168168.jp/sports-disorders/shin-splints-how-to-heal/#respond Sat, 13 Jan 2018 13:48:21 +0000 http://168168168.jp/?p=3343 この記事ではスポーツ障害であるシンスプリント劇的に早く治すための治療法が書いてあります。
当院のブログ内に
▼シンスプリントと疲労骨折の見分け方
https://168168168.jp/shin-splints/
▼シンスプリントがなかなか治らない理由
https://168168168.jp/shin-splints-not-heal/
▼シンスプリント用の試合前のテーピングの貼り方
https://168168168.jp/shin-splints-taping/
▼シンスプリントや疲労骨折では松葉杖が必要か?(読者さんからの質問)
https://168168168.jp/shin-splints-crutch/
について書いてあります。どうぞ合わせてお読みください
 
では本編をご覧ください
 
シンスプリントは部活を頑張っている人に起こるすねの内側の痛みです。
 
頑張り屋さんがなるスポーツ障害を治すためにはやはり少しの期間、休む必要もあります。
 
しかし頑張り屋の選手にこれを伝えるのはものすごくツライことでした。
その子が早く競技に復帰したいと願っているのをよく知っているからです。
 
このスポーツ障害の治療に一番頭を悩ませたのはその点でした。
 
だから少しでも早く復帰できるように
少しでも痛みがなくなるようにと
 
さまざまな治療法をやってきてたどり着いたのが今回の治療法です。
 
この治療法を取り入れることで
治療期間が短くなり、治療回数も減りました。
部活を休んでもらう期間も短くなって、競技復帰が早くなりました。
 
それは、これまでシンスプリントのせいであきらめなければならなかった試合に出れるようになり、痛みのせいで競技自体を続けることができないということを無くすことにつながりました。
 
ひとつだけ言いたいことがあります。
 
どんな痛みも原因があり、それを取り除けば治療できるんです。

この記事を読んでそれを理解し、そして痛みのない競技復帰をしてもらえることを願っています。
 

こんな治療されてないですか?

シンスプリントの治りが悪く苦労する選手は多いです。
 
いろんな病院、接骨院、整体などに行かれたという患者さんもいらっしゃるでしょう。
 
「いままでにどんな治療をしてきましたか?」
 
と聞くと
 
テーピング
アイシング
ストレッチ
低周波(電気治療)
インソール

 
といった治療方法を経験されていることが多いです。
これを読まれている方もこのうちのどれかを経験済みかもしれませんね。
 
これらの治療方法で治るシンスプリントは特に軽症な状態だと思います。
しかし軽症な時点で治療に来院する患者さんはほぼいないです。
 
そもそも一生懸命に部活に打ち込む子たちがなるスポーツ障害です。
特に痛みが強くなり、ガマンできないくらいになってから来院されることが多いでしょうし、このページをご覧になっているアナタ(のお子さん)も同じ状態でしょう。
 
そのようなヒドイ状態のときには、これらの治療はあまり効果的とは言えません。そしてそれを続けるのは貴重な時間をムダに使ってしまうことになります。
 

これまでの治療が治らない理由

以前に書いた記事に紹介してあるのですが、シンスプリントがなかなか治らない理由があります。
https://168168168.jp/shin-splints-not-heal/
 
こちらの記事にまとめたのですが、治らない理由は4つです。
そのうちのイチバンの理由は治療する対象が間違っているということです。
 
いろんなホームページをみて書いてある後脛骨筋という部分はシンスプリントの原因の氷山の一角なのです。

新しい治療法の対象は”膜”

ここからはシンスプリントの新しい治療について書いて行きます。
先ほどの氷山の一角の図に後脛骨筋以外のいろんな筋肉の名前を書きました。
 
これらの筋肉の”膜”である「筋膜」が治療の対象になります。
 

筋膜とはなにか

筋膜はその名のとおり筋肉を包む大きな膜です。
シンスプの治療のために筋膜について理解してもらうことは二つだけです。
 
ひとつは複数の筋肉を経由して包むということ
もうひとつは筋肉を守るために刺激に敏感であるということです。
 

筋膜は複数の筋肉を経由する

筋膜は複数の筋肉や骨膜を経由している一枚の線維です。
 
腕にある筋膜が指から肩までの筋肉を覆っている図を紹介します、が少しグロイので見たい方はクリックしてください(拡大されます)

文献1)
 

痛みを感じるのは筋膜・骨膜

文献によると

 
筋膜には多くの感覚受容器がある。その総数は、数え方にもよるが、 ヒトの最も多い感覚器官とされる目の網膜の受容器の数を上回る。
もちろん、他の組織も、私たちが感じる身体感覚に関与している。関節包(一種の筋膜とする分類体系もある)にも骨にも感覚がある(多くは筋膜、あるいは骨膜による)
 
※引用文献「ビジュアルで学ぶ筋膜リリーステクニック」Til Luchau

とあります。
 
シンスプリントでもオスグッドでも足底筋膜炎でも共通なことですが、実は筋肉や骨の実質に痛みを感じる神経(痛覚神経)は少ないです。
 
痛覚神経が一番豊富なのは筋肉や骨の表面にある筋膜や骨膜なのです。
理由は簡単です。痛みの刺激は外から来るからです
 
カラダで言えば痛みの刺激を皮膚が感じることでカラダは守られています。
腕に針が刺さったら痛いと思って引っ込めますよね?
 
これと同様に筋肉や骨も筋膜や骨膜が表面にあり痛みに対する監視役になっています。
 
これを逆にすると「痛みが発生している」=「筋膜や骨膜になんらかの症状がおこっている状態」だと考えられます。
 
では痛みが発生している筋膜にどんなことが起こっているのでしょうか?
 

ある場所の歪みが違う場所のストレスになる

あるカラダの使い方を繰り返すことで大きな筋膜の一部に動きのクセができてしまいます。
伸びるべき筋膜が伸びなかったり逆に縮んでいるはずの筋膜が縮んでいなかったりします。
 
このある場所での筋膜のクセが違う場所にストレスをかけてしまいます。
 

Tシャツの右胸のところをつまんでひっぱると左の脇腹のシャツがひっぱられてしまうでしょう。
このTシャツを筋膜と考えてもらうとわかりやすいかと思います。
 
このストレスが筋膜にたくさんある痛覚神経を刺激します。
シンスプリントとは、カラダのどこかで起こっている筋膜のクセがすねの内側の筋膜にストレスとしてかかっているのです。

文献1)より
 
当院でのシンスプリントの治療はこの最初におこる筋膜のクセによる歪みの場所を見つけて、調整することになります。
 

筋膜のつながり

筋膜のつながりの実際の図の一例をご覧いただきます。
 

文献1)より
 

たくさんのラインがあるうちの一つです。
またどこのラインに歪みがでているかはおこなっている競技や個人個人で違います。
それを見つけるところからがいろは接骨院の仕事となります。
 

どの筋肉の筋膜に歪みが起こっているのか?

これは実際に患者さんのカラダをみることでしかわかりません。
 
テニス部がボールを打つ動作
バスケ部でドリブルをする動作
野球部でボールを投げる動作
サッカー部でボールをける動作
それぞれにやっていることはバラバラです。
 

シンスプリントの原因となる繰り返しの動作がバラバラなので筋膜のクセもそれぞれ違ってきます。
 

実際の症例

当院でおこなうシンスプリントの治療(施術)例をご覧いただきます。
以前違う記事に書いたものをこちらに転載いたします。
 

主な訴え

16歳高1女子サッカー部
小学校のころから女子サッカーをやってきた
中学では女子のクラブチームに、高校では三重県の強豪女子サッカー部に入部
中学からときどきシンスプリントが発生していたが、テーピングなどでごまかしていた。
左のすねの内側が痛い

中学時代にシンスプリントの治療を担当していたのは当院ですが、今回の治療から筋膜の調整を取り入れました。
 

筋膜の歪みを探す

痛い場所

左足のすねの内側(下の写真の×点)

走ると痛いというのが主な訴えですが、自分で押しても痛みが発生していました。この痛みをなくすことを治療の第一の目的にします。
 
筋膜の歪みが考えられるところを探していきます。
 
①膝関節→股関節の可動域を確認する

→膝関節の下に一部筋膜の硬さを発見。
 
そしてアナトミートレインのラインにしたがって上方へチェックしていきます。
 
②体幹の左側屈が右に比べて少ない

→左上前腸骨棘から外腹斜筋が始まるところに筋膜の異常な硬さがあり、動きが制限されていました。


文献1)より
 

 
③首の側屈が左に倒れにくい

→右の頭板状筋に筋膜の異常な硬さと動きの制限あり→右の腰部に筋膜の重積があり(今回のシンスプリントとは関係ありませんでした)

 

筋膜調整の実施と結果

これら(①と②)の筋膜の異常を手技によってリリース(解放)しました。

高1女子サッカー部
さっき自分で押しても痛かったところが押しても痛くなくなった!

 
この施術を4回ほどおこなって治療終了となりました。
 
いろは接骨院
今回の患者さんでは膝の裏の硬さ外腹斜筋の硬さを取ることで、左すねの内側に発生している痛みが消失しました。

 

まとめ

シンスプリントの痛みを取るのには筋膜の歪みを調整する治療法が有効です。

いろは接骨院
シンスプリントをはじめとするスポーツ障害で悩んでいるのはアナタだけではありません。
これまでにたくさんの先輩たちのシンスプリントで、私も一緒に頭を悩ませてきた結果がこの治療法です。
少しでも早く競技復帰できるように、お手伝いをします。
 
本気で治したいと思うのであれば一度、相談をしてください

シンスプリントでお困りの方
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※引用文献1)「ファッシャルリリーステクニック 身体構造のバランスを整える筋膜リリース技術」James Earls & Thomas Myers

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シンスプリントがなかなか治らない4つの理由 https://168168168.jp/sports-disorders/shin-splints-not-heal/ https://168168168.jp/sports-disorders/shin-splints-not-heal/#respond Tue, 09 Jan 2018 07:37:48 +0000 http://168168168.jp/?p=3251 この記事ではスポーツ障害であるシンスプリントなぜこんなに治りが悪いのかについて書いてあります。
当院のブログ内に
▼シンスプリントの治療方法
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▼シンスプリントと疲労骨折の見分け方
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▼シンスプリント用の試合前のテーピングの貼り方
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▼シンスプリントや疲労骨折では松葉杖が必要か?(読者さんからの質問)
https://168168168.jp/shin-splints-crutch/
について書いてあります。どうぞ合わせてお読みください
 
シンスプリントがなかなか治らない理由とは
中学や高校に入学して部活を頑張り始めて1か月がたつ頃、すねの内側が痛くなってくることがあります。
最初のうちはなんだろう?少し頑張りすぎたかなと思っていて少し休んだりしたら痛みがひいていきます。でもまた部活や体育をやっていると同じ場所が痛くなってきます。
 
こんなことを繰り返しているうちにずっと痛くなったり、以前より少ない量の運動で痛みがでてしまうようになります。
 
ネットで調べてみるとどうやら「シンスプリント」というらしい。
 
先輩とかに聞いても同じように痛くなったりしてるから、みんななるものなんだ、と思って部活を続けます。
 
ストレッチやテーピングでごまかそうとしてネットで調べるといろんなことが書いてあります、それを自分でやっても効果があまりなかったりして・・・気づけばすねが痛くて走れない。
治療のために接骨院に通ってもなかなか治らない・・・
 
いまこのページを読まれている方はそんな状態かもしれません。
 
このページでは当院が考えるシンスプリントがなかなか治らない理由をケースごとに解説します。
 
決して「こんな理由で治らないからしょうがないんだよー」というつもりではありません。
シンスプリントが治らないのは治すための何かが間違っているからなのです。
 
少しでも早くシンスプリントの治療を終えるために、一生懸命部活に打ち込めるようになってもらうために、この記事を書きました。
 
これをみて少しでも皆さんに当てはまるものがあれば、それを排除してシンスプリントを治すきっかけになってもらえばと思います。
 

シンスプリントじゃないケース

すねの内側に痛みが出た時に安易にシンスプリントだと決めつけて(もしくは決めつけられて)いませんか?
痛みが治らない理由の一つに「そもそもシンスプリントじゃない」場合があります。
 
先輩が同じような痛みを経験をしていて「それシンスプリントっていうんだよ」と言われてそれを信じ込む場合もありますが、危険です。
 
特によく似た症状に疲労骨折があり、痛みの出方、出る位置、などがよく似ています。
シンスプリントと疲労骨折の起こる場所
すねの内側が痛い!シンスプリントと疲労骨折の見分け方と治療とは」より
 
また整形外科でレントゲンを撮ってもらって「折れてない」と言われたのに痛みが取れず、1か月くらい後に別の整形でレントゲンを撮って「疲労骨折ですね」と言われてしまうケースがあります。
 
患者さんは「ええ?前の医者ふざけんなよー」って思ってしまうのですが、初期の疲労骨折をレントゲンで確定するのはほぼ不可能です。
そこは医学の限界というもの。患者さんのほうも知識をつけて臨まなければなりません。
 
あなたのシンスプリントはキチンと検査をしてありますか?
 

スポーツしながら治そうとするケース

ここからはすねの内側が痛くなり、疲労骨折の疑いをなくすために、エコー検査やMRIを実施してシンスプリントであると確定されてからのお話をします。
 
シンスプリントとは過労性の骨膜炎とされています。
過労性というのはいわゆる”使いすぎ”ということですのでまずは安静にしなければ治りません。
 
これを守らずに治してほしいというのは不可能です。
一定期間のスポーツの休止は必要な要素です。
 

A さん
スポーツをするために通院してるんだからやりながら治してくれー!

という人もいるかもしれません。ですが完全に治ってない状態でプレーをしても「痛みがでるかも?」とビクビクしながらプレーすることになるのでいい記録も出ないと思いませんか?
 
専門家の指導のもと腰を据えて治すと決めたほうが結果として早く治るでしょうし、選手生命も長くなりますよ。
 

治療方法が間違っているケース

B さん
部活を休んでシンスプリントの治療を真面目に通ってしてもらっていたけど治らない

とおっしゃる方がときどき来院されます。
 
どんなことをしてましたか?と聞くと次のようなものが上がります。
テーピング
ストレッチ(指導)
マッサージ
筋トレ
アイシング
インソール(靴の中敷き、足底板)
 
少し前までの当院でも行われていたものもあり、効果のあるものもあればまったく意味のないものもあります。
 

テーピング、アイシング

テーピングやアイシングはスポーツをする前後に行うのは一定の効果があると思います。
がそれをしていれば治るか?というのはあまり意味がないと思われます。
試合前のテーピングについてはこちらの記事も参考になさってください
https://168168168.jp/shin-splints-taping/
 

マッサージ、ストレッチ

後脛骨筋のマッサージやストレッチというのはあまり意味がないと考えます。
そもそも後脛骨筋はふくらはぎの骨のそばにあるため、体の表面から触ることが難しいです。
また筋肉の付け根が引っ張られて痛いのにストレッチでより引っ張るのはどういうものでしょうか。
 

筋トレ

後脛骨筋を鍛えられる方法ってものがないです。
あったとして後脛骨筋の筋力があがったことがシンスプリントの痛みとどう関係あるかわたくしにはわかりません(笑)
 

インソール(靴の中敷き、足底板)

後脛骨筋の負担を減らすためのインソールはある程度有効と考えています。
シンスプリントを治療していくうえで足の回内状態を矯正するのは大事なことだと考えます。
痛みがなくなったあとにまた部活やスポーツを頑張るときに足の負担自体を減らすためにインソールを入れるのは非常に有効です。
足の回内についてはこちらの記事をお読みください
https://168168168.jp/iroha-do/foot-care-and-insole/
 

治療の対象が間違っているケース

治療をするには、例えばテーピングを貼る場合どの筋肉に対して貼るか、というように治療の対象を決めなければなりません。
 
この対象が間違って治療をされているといくら治療をしても治るわけがありません。
盲腸でお腹が痛いのに胃薬を飲み続けているのと同じですね。
 

後脛骨筋じゃないの?

ここまで読み進めて来てくださった熱心に治そうとしている人は、いろんなHPをごらんになって、シンスプリントの原因は「後脛骨筋」が引っ張ってすねの内側が痛いんですよね?
って思っているかもしれません。
 
または通っている接骨院で「後脛骨筋を緩めれば治ります」と言われて治療をされている人もいるでしょう。
 
後脛骨筋は足のアーチを形成するための大事な筋肉であるので、そこに走りすぎによる負担がかかって痛みがでるというのは理にかなっています。
治療の対象の一つとなる可能性は高いでしょう。
 
しかし、あくまで対象の一つなのです。
 

後脛骨筋は氷山の一角

スポーツというのは全身運動です。
足首だけ動かすスポーツというのがあるかどうか知りませんが・・・
 
スポーツをするときに後脛骨筋だけ使っているのか?というとそうではありませんね。
 
走るときに右足をスムーズに前に出すために左腕を前にふります。
 
ボールを遠くまで蹴るためにカラダをねじります。
 
ボールをアタックするのにカラダを反らせます。
 
こんなふうに全身を使っているのに後脛骨筋だけを痛みの理由にすることが間違っていると思いませんか?
ほとんどの接骨院ではこの後脛骨筋に対しての治療をされていると思いますし、そして後脛骨筋が理由の場合も多々あるでしょう。
 
しかし筋膜や骨膜のつながりを見ていくと本来伸びるべきところが伸びなかったり、逆に縮んでいるべきところが縮んでいなかったりすることがあります。このアンバランスを追っていくとシンスプリントの位置につながっているのです。
 
つまり後脛骨筋はシンスプリントの原因の氷山の一角なのです

シンスプリントの原因の氷山の一角
 
後脛骨筋から筋筋膜経線という筋膜のつながりを見ていくと
後脛骨筋→足底筋→超腓骨筋→第4のハムストリングス→仙結節靭帯と骨盤のほうへ、また骨盤から上半身へとつながっているのです。
 

まとめ

シンスプリントが治らない理由をあげさせていただきました。
 
①シンスプリントじゃないから
②スポーツを続けているから
③治療方法が間違っている
④治療対象が間違ってる(もしくは足らない)
 
最初にも書きましたがこんな理由があるから治らなくてもしょうがないんですよ
という思いではなく、みなさんの治療の参考になればという気持ちで書きました。
 
これらの理由の一つが原因ではなく複数の理由が組み合わさっている可能性もあるでしょう。
シンスプリントの痛みが消えて競技復帰するまでをテーマにした記事です
こちらもご覧いただけると幸いです。
https://168168168.jp/shin-splints-how-to-heal/

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大事な試合前に!簡単に貼れるシンスプリント用テーピング https://168168168.jp/sports-disorders/shin-splints-taping/ https://168168168.jp/sports-disorders/shin-splints-taping/#respond Sat, 06 Jan 2018 00:30:11 +0000 http://168168168.jp/?p=3166 この記事ではスポーツ障害であるシンスプリントが治りきっていない状態で試合にでるときようのテーピングの貼り方が書いてあります。
当院のブログ内に
▼シンスプリントの治療方法
https://168168168.jp/shin-splints-how-to-heal/
▼シンスプリントがなかなか治らない理由
https://168168168.jp/shin-splints-not-heal/
▼シンスプリントと疲労骨折の見分け方
https://168168168.jp/shin-splints/
▼シンスプリントや疲労骨折では松葉杖が必要か?(読者さんからの質問)
https://168168168.jp/shin-splints-crutch/
について書いてあります。どうぞ合わせてお読みください
 
シンスプリント用テーピング
シンスプリントが治りきらず試合や練習に臨まなければならないのはつらいことですね。
 
しかしどうしても治療の時間が間に合わずに試合が差し迫っているときにはテーピングというのも一つの手段になると思います。
 
このページでは試合当日に自分でできるテーピングの貼り方をご紹介します。
この貼り方だったら、だれでも簡単にシンスプリントのテーピングができるようになる!かもしれません(笑)
 

テーピングを貼るときに知っておきたいこと

テーピングを貼るとき、知っておいたほうがいいことがあります。
どんな種類のテーピングを貼ったらいいのか?どの筋肉をサポートしたらいいのか?です。

テーピングの種類を知ろう

簡単にいうとホワイトテープキネシオロジーテープの2種類があります。

 
ホワイトテープとは伸びないテープで主に関節の固定用に使います。
ケガの直後はこちらのテープを選択します。
 
キネシオロジーテープとは伸びるテープで主に筋肉のサポート用に使います。
簡単に取り扱えることが特徴で、ケガが治りつつあって競技復帰するときなどにはこちらを使うことが多いです。
 
今回のテーピングは筋肉のサポートがメインとなるのでキネシオロジーテープを使用します。
もしお持ちでない方はドラッグストアなどで50㎜幅のキネシオロジーテープを購入してください(写真のキネシオは業務用です)
 

サポートする筋肉の走行を知ろう

テーピングで筋肉のサポートをする場合、その走行にそって貼ることが第一になります。
ですので筋肉の走行を知る必要があります。
 
主にサポートする筋肉は後脛骨筋長趾屈筋という筋肉になります。
各々どんな走行をするかは下に書くテーピングの貼り方のところで解説します。
 

シンスプリント用簡単テーピング

ここからはシンスプリントに実際に貼るテーピングについて解説します。
これらのテーピングは治療のためのテーピングではなく試合にでるためのサポートだと考えてください。
このテーピングを貼っているだけでシンスプリントが治るわけではありません。
 

後脛骨筋テーピング

後脛骨筋は足の内側の真ん中(舟状骨)から内くるぶしの後ろを通ってふくらはぎの左右の真ん中を頭方にあがって終わります

 
テーピングの手順(タブをタップすると切り替わります)
①カラダから見た舟状骨はここ
 
②50㎜幅のキネシオを6マス半用意。写真の位置を切り取ります。

 
③内くるぶしの後ろに貼ります

 
④短いほうを先ほどの舟状骨に向かって貼ります

 
⑤長い方をふくらはぎの真ん中に向かって貼ります

 
⑥完成です

 
体表に後脛骨筋を投影した図と比較してみましょう


※引用文献 「大峰閣 骨格筋の形と触察法 改訂第二版 河上敬介 磯貝香」
投影図よりやや内側に入るくらいになります。
 

長趾屈筋テーピング

長趾屈筋は足の裏の指の付け根から足の裏を後方へ進み内くるぶしの後方を通ってすねの内側につきます

体表に投影するとこんな感じです

※引用文献 「大峰閣 骨格筋の形と触察法 改訂第二版 河上敬介 磯貝香」
 
50㎜幅のキネシオロジーテープを6マス半から7マス半ほど用意します(27㎝~32㎝くらい)。先端を斜め(左右で斜めの向きは違います)にして4つに切り目をいれます


 
足の中心よりややつま先よりに4つまたの付け根をはり一本一本を足の指に対応させてはります。このとき足でグーをするようにします。

 
そのあと足の指の腱にそって内くるぶしの後ろを通るようにすねの内側やや後方に貼っていきます。最後は引っ張らないでくださいね


ちなみに当院ではこのテープを多用します。
 

合わせ技テーピング

上記の2本のテーピングを同時にはります。
痛みが出ているポイントで2本のテープがクロスするイメージで貼るといいでしょう(写真の矢印)
※都合でこの写真の長母指屈筋のテープは4つに切っておりません


 

まとめ

先ほども書きましたがこのテーピングは治療のために使う貼り方ではなく試合のためのサポートです。
 
近年の知見ではシンスプリントは痛みのある場所だけが原因ではないという判断をする先生もたくさんいるようです。
よく似た症状で疲労骨折をしていた場合というのもたくさん遭遇しました。
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いろは接骨院
シンスプリントは自分だけでなんとかできるものではありません。
専門家と相談しながらしっかりと治療をして競技を長く続けられるかどうかは自分の判断になります。

もしお力が必要であればいろは接骨院は喜んで協力いたします。

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シンスプリントや疲労骨折は松葉杖が必要?使わないで治す方法は? https://168168168.jp/sports-disorders/shin-splints-crutch/ https://168168168.jp/sports-disorders/shin-splints-crutch/#respond Fri, 05 Jan 2018 02:01:33 +0000 http://168168168.jp/?p=3139 年末にシンスプリントの記事を書かせていただき、そこからSNSを通じてご質問をいただきました。
カンタンではありますが記事としてご紹介したいと思います。

質問内容


質問 さん
子供が接骨院でシンスプリントと言われました。松葉杖を出されたのですがこれって必要でしょうか?
使わないで済む方法はありませんか?

いろは接骨院の答え

いろは接骨院

よく勘違いをされるのですが、「シンスプリントだから松葉杖が要らない、疲労骨折だから必要という基準ではない」ということです。
判断材料として一番わかりやすいのは固定(あとで出てきます)をした状態で足をついて体重をかけたときに痛みがでる場合は必要ということです。

体重がかかったくらいで痛みがでるというのは患部にかかる力が治癒を遅らせる方向に働いているということだからです。

一般的に松葉杖が必要なときはどんなとき?

ここからはシンスプリントや疲労骨折だけでなく、一般的にケガをして松葉杖が必要な場合はどんなときか?を紹介します。

ギブス固定などで歩行に障害が発生してる

ギブス固定が足首の下から膝の上くらいまで必要な場合があります。すねの骨が完全に骨折してるような場合です。
このときギブスが邪魔で歩行に著しい障害が発生しているので単純に歩きにくいですよね(上の写真のような)。
この場合は移動するという目的のために松葉杖が必要になります。

患部にかかる力が良くない方向である

骨折の治癒が早まる条件・遅れる条件というものがあります。
患部に「剪断力(せんだんりょく)」という力のかかり方をする場合、治癒のための条件がいいとは言えません。
剪断力とは下の図の右側のような状態です
①体重による力
②骨折患部に働く力
③骨折の向きにより患部が離れようとする力

このような場合、体重がかかることで患部に剪断力が働かないようにして、骨折の治癒が遅れるのをふせぐために松葉杖が必要といえます。

荷重をかけて痛みがひどい

シンスプリントや疲労骨折では
・ギブス固定したとしても足首から膝を超えることはない
・骨折が完全なものではないので剪断力を心配する必要がない
ということからこの判断がシンスプリントや疲労骨折で松葉杖の必要性を考える一番の項目になるといえます。

松葉杖のメリットデメリット

ここで松葉杖を使うメリットとデメリットをご紹介したいと思います。

メリット

先ほどの松葉杖が必要とされる状態を回避することができるというのは一番のメリットといえます。
荷重がかかって痛みがでたり、骨折の治癒が遅れることを回避できます。

デメリット

松葉杖の最大のデメリットは「松葉杖をやめるとき」にあります。
これまでかからないようにしていた荷重が患部に加わることで傷口が拡がってしまう場合があります。ですのでなるべく普段の荷重がかかる状態で治療をしていくことが理想だといえます。

これらの松葉杖のメリット・デメリットのバランスを考えて松葉杖を使用するのがいいでしょう。

松葉杖なしでシンスプリントや疲労骨折を治す方法

ここからは当院でシンスプリントや疲労骨折に行っている固定であるインソール組込式U字シーネをご紹介します。

インソール組込式U字シーネとは

当院のブログでも時々でてきます、インソール組込式U字シーネは足首から下の骨の配列を正しい状態にすることですねにかかる力のバランスを整えてくれるものです。
もちろんシーネとして患部の保護や支えにもなるので患部の固定としての役割も果たしています。

この固定法の優れているところは、ギブスを付けたまま松葉杖無しで歩けるということです。
当院ではこの固定をして体重をかけて痛い場合、松葉杖が必要という判断の基準になっています。
※ちなみにこれまで松葉杖を使うことになった患者さんはいません

また松葉杖なしで歩けるということは「自分で学校に行かせることができる」というメリットもあります。
朝と夕方の送り迎えがお母さんたちの負担になるのを減らすことができますね。

当院では足首のねんざの場合にもこのギブスを作成することが多いです。

このギブスを作成して、あとは手技によるシンスプリントの回復手技を行ったりします。
それについてはこの記事をご覧ください
https://168168168.jp/shin-splints-how-to-heal/

まとめ

・シンスプリントやすねの疲労骨折で松葉杖がいるかの判断で一番カンタンなのは体重をかけて痛いかどうか
・痛い場合は患部に良くない方向の力が加わっている可能性があるのでご注意を!
・松葉杖を使うときはメリットデメリットがあるのでそれを判断材料に。
・当院では歩きやすくなるためのギブスをつけても痛みが出る場合、松葉杖が必要と判断します(ほとんどないです)

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すねの内側が痛い!シンスプリントと疲労骨折の見分け方とその対処について https://168168168.jp/sports-disorders/shin-splints/ https://168168168.jp/sports-disorders/shin-splints/#respond Sun, 24 Dec 2017 09:07:32 +0000 http://168168168.jp/?p=3050 この記事ではスポーツ障害であるシンスプリントによく似た症状である「疲労骨折」との見分けるための方法と各々の対処方法が書いてあります。
当院のブログ内に
▼シンスプリントの治療方法
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▼シンスプリントがなかなか治らない理由
https://168168168.jp/shin-splints-not-heal/
▼シンスプリント用の試合前のテーピングの貼り方
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▼シンスプリントや疲労骨折では松葉杖が必要か?(読者さんからの質問)
https://168168168.jp/shin-splints-crutch/
について書いてあります。どうぞ合わせてお読みください
 
すねの内側が痛い
 いろは接骨院にはスポーツや部活動をがんばっている子供たちが多く通院しているのですが、「すねの内側」に痛みが出て来院されることが多くあります。
しばらく休むとそれはなくなることもあるのですが、運動を再開するとまたすぐに痛みが・・・なんてことも少なくありません。
 
そのすねの痛みは何なのか?どう対処すべきか(当院ではどのように行っているか)をご紹介したいと思います。
 

走るとすねの内側が痛い理由

スポーツや部活動をがんばっていて、すねの内側(まれに外側)が痛くなるのは足にダメージの蓄積が溜まった状態だからです。
 
特にすねの内側に発生しているものは二つあり、ダメージがすねの骨の骨膜に蓄積されて痛みが出ているものをシンスプリントといい、ダメージがすねの骨本体にキズをつけてしまったものが疲労骨折となります。
 
どちらも繰り返しの衝撃によるダメージの蓄積が痛みの原因となっていて、こういった状態をまとめてスポーツ障害といいます。
※ちなみにスポーツ障害の反対はスポーツ外傷といい一度の衝撃でキズがついてしまった状態(例えば捻挫や骨折、打撲をさします)です。

すねの痛み

 

シンスプリントとは

ウィキペディアによると

 
シンスプリント(英: Shin splints)は、下腿内側に位置する脛骨の下方1/3に痛みが発生する症状。骨折した時のような激しい痛みではなく、鈍痛なのが特徴である。脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん、英: Medial tibial stress syndrome)ともいう。
基本的に体を動かすどの運動においても、十分な筋力の整っていないうちからいきなり激しい運動をした際に起こりうるものではあるが、マラソン選手や陸上競技のランナーなどには特に起こりやすい。
 

となっております。
 
カンタンな言葉で言い換えると
「シンスプリントはすねの内側の骨の下1/3に痛みがでる。鈍痛が起こる。脛骨過労性骨膜炎:すねの内側の骨の使いすぎによる骨膜に炎症が起こっていると考えられる。陸上競技でなりやすい」

となります。
 

疲労骨折とは

ウィキペディアによると

 
疲労骨折(ひろうこっせつ)は、一度では骨折に至らない程度の応力が、骨の同一部位に繰り返し加わることにより発生する骨折である。
 

となります。弱い力も繰り返しのダメージが蓄積されて骨折に到る、ということです。まさにスポーツ障害の典型と言えるでしょう。
 

シンスプリントと疲労骨折の見分け方

よく似た症状の傷病がある場合、それがどっちなのか確定しなければなりませんよね。
 
シンスプリントと疲労骨折も
・スポーツ頑張っている人(よく走る人)に発生する
・すねの内側を痛がる
・走ると痛い

という似た症状ですがその見分け方は次の通りになります。
 

痛みの場所による判断

シンスプリントがよく起こる位置は内くるぶしから握りこぶし1つぶん頭方(上方)の辺りになります。
(あとで実際に痛みのある点の画像があります)
 
すねの骨の疲労骨折が起こる位置は行っている競技によって異なります。
文献によると

 
脛骨疲労骨折は疲労骨折のなかではもっとも多発する。発生部位は上中1/3、中央1/3、中下1/3にみられ、上中1/3と中下1/3は疾走型疲労骨折と呼ばれ、長距離走者に多くみられる。しかし、疾走型のものとは異なり、中央1/3にみられる疲労骨折は跳躍型疲労骨折と呼ばれ、走り高跳び、走り幅跳びなどの、ジャンプ種目に多く発生する。

※引用文献「南江堂:下腿と足の痛み 高倉義典」 

とあります。まとめると、すねの骨の上部と下部で起こるのは走る競技(疾走型)、すねの中心部で起こるのがジャンプする競技が多いとされています(跳躍型)
 
なので、すねの内側の上のほうや真ん中の場所を痛がる場合は疲労骨折を起こしてる場合が多いです。
 
また足の下1/3(内くるぶしからこぶし一つ上)辺りが痛い場合、これはシンスプリントも疲労骨折もどちらも考えられますので自分で判断しないほうがいいでしょう。

シンスプリントと疲労骨折の見分け方

 

レントゲンよりもエコーが有用

骨折かどうかを見極めるのには一般的にレントゲンを撮影しますよね?
しかしこのふたつの鑑別ではレントゲンはあまり意味がありません。なぜなら一般的に疲労骨折の初期の場合、レントゲンには写らないことが多いからです。
 
それよりはエコー観察装置を用いて患部の血流反応を見た方がよいでしょう。

写真は足の甲の疲労骨折のエコー観察をしたときのものです

当院のエコー観察記録より引用

 

子供の疲労骨折を疑う3つのポイント

エコーを使った疲労骨折の観察をyoutubeで紹介しております。ご参考になさってください。


  
当院ではエコー観察を行って疲労骨折の疑いが強い場合は、医科への対診を依頼しております。
そこでMRIを使った診断をおこなっていただくことで骨折の見落としを防ぐようにしております。
 
いろは接骨院

ここまでをまとめると
すねの上部、中央部の場合、疲労骨折である可能性が高い
下部の場合、どちらもありえるがレントゲンよりもエコー観察のほうが鑑別しやすい
もしくはMRIを撮影することになる(なかなかすぐに対応してもらうのが難しい現実)

 

対処方法

鑑別して痛みの原因がシンスプリントか疲労骨折かが判別できたら、対処・治療しなければなりません。
 

疲労骨折の治療

疲労骨折は一般の骨折と違いありません(いわゆるヒビも骨折に入ります)。
ですので自分でできることというのは無いと思ってもらったほうがいいです。
専門の先生がギブスやシーネで固定すると思うのでそれに従いましょう。

ギブス固定

 
しいていうなら、治療が終わって再開するときに足の衝撃を緩めるインソールを入れることを検討してもよいと思います。
 
また治癒期間を短くするために超音波治療器を当てるのもオススメです。

 

シンスプリントの治療

まず、自分ですべきことの最優先は部活やスポーツを一定期間休みましょう。
シンスプリントは繰り返しのダメージが溜まって発生していることは先ほど述べました。まずはこのダメージを取り除かないと何にも始まりません。
 
スポーツや部活を続けながらスポーツ障害を治そうとするのが一番無意味なことだと理解してください。
お酒を飲みすぎてカラダを壊した人が「酒を飲み続けながら治療するわ」っていうのと同じくらい無意味なことです。
 
テーピングやアイシングをすることも有効ではありますが、これらは痛みがでたときの応急処置やサポートだと思ってもらったほうがいいと思います。
一応アイシングとテーピングのやり方を以下に書いておきます。
 

アイシングの方法

痛みが出ているところに氷や保冷剤を使って直接冷やします

コールドスプレーや冷やすシップというのは熱を取ってくれるわけではないのであまり意味がありません。

15分間、氷を当てた後しばらく間をおいて再び15分間氷を当てる。
 

テーピングの方法

5㎝幅のキネシオロジーテープを25㎝から30㎝ほど用意します。先端を斜め(左右で斜めの向きは違います)にして4つに切り目をいれます

足の中心よりややつま先よりに4つまたの付け根をはり一本一本を足の指に対応させてはります。このとき足でグーをするようにします。

そのあと足の指の腱にそって内くるぶしの後ろを通るようにすねの内側やや後方に貼っていきます。最後は引っ張らないでくださいね

 

当院での施術方法

当院でシンスプリントに一番効果を発揮しているのがアナトミートレインという考え方を使っての施術です。

アナトミートレインとは

これまでシンスプリントのようなスポーツ障害は、痛みが発生している箇所にある筋肉(この場合、後脛骨筋)が硬くなり炎症や引っ張りが強くなることで発生していると考えられてきました。
近年、筋肉の表面である筋膜や靭帯、骨の表面の骨膜(これらをまとめてファシアと呼びます)は体中に張り巡らされており、決まったラインを通ると考えられています。

※引用文献「ファッシャルリリーステクニック 身体構造のバランスを整える筋膜リリース技術」James Earls & Thomas Myers
 
このラインがアナトミートレイン(列車の通り道を想定)と呼ばれます(図はその一例)

ファシアのラインの一部が動かないことで(逆に動きすぎたりすることで)違う部位に痛みが発生しているという考え方です。
患部の直接的な炎症や歪みだけでなく、この列車の通り道であるファシアのラインに起こっている動きの歪みを正しい状態にすることで痛みを消失させる施術になります。
 
 
実際のシンスプリントの症例をごらんいただきます。
 
シンスプリントの治療の原理や実際をこちらの記事にまとめました。
一度お読みくださいますと幸いです
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まとめ

①すねの内側が痛い場合、シンスプリントか疲労骨折が発生している可能性が高い。
 
②まずは休むこと。休んでも痛みが取れない、もしくはスポーツ再開してすぐに痛くなるようだったら専門的な治療をしてくれるところへ。
 
③専門的なところでもシンスプリントと疲労骨折の見極めは難しい場合が多い
少なくともエコーが無いとわからない
 
④疲労骨折の場合、通常の骨折と同じ扱いなのでギブスやシーネでの固定をする
 
⑤シンスプリントの場合、全身に張り巡らされている筋膜のライン(アナトミートレイン)が異常をきたして痛みが発生している場合がある。それを調整する治療は実績がある。

シンスプリント・疲労骨折の治療についてわからないことがあれば、お気軽にお問合せください
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「首が回らない」が腰痛と同時に発生!首を治療しても治らない理由 https://168168168.jp/acute-back-pain/rotation-restriction-of-neck/ https://168168168.jp/acute-back-pain/rotation-restriction-of-neck/#respond Tue, 12 Dec 2017 10:09:22 +0000 http://168168168.jp/?p=2821 今回は首と腰が同時におかしくなって、同時に治ったケースです。
われわれの仕事で一番やったなあって思うときがあります。
それはドクターG(NHKでやってた番組)みたいに知識と推理で患者さんの症状バシっと解決できて治せたときです。

今回はまさにそんなケースをご紹介します。ドクターJ!!(JUSEI)なんつって(笑)
 

主な訴え

40代女性 さん
午前中に鞄を肩にかけようとしたら左の肩~首の筋肉がつった。それはすぐに治ったんだけどその後、同じ左側の腰痛がおこってきたと思ったら左に首も回らないようになった

 
この訴えが起こってから2日後に来院してくださいました。
この方のカラダには何が起こっているのでしょうか?
 

身体の動きの検査

まず首の回旋制限

40代女性さん
右は90度くらいまで回るけど左は半分の45度くらいしか回らない

 
そしてメインの訴えである腰痛
40代女性さん
カラダを前に倒すのは大丈夫
後ろにそらせるのも行かなくはない、くらい

 
このとき(カラダをそらせたとき)、患者さんのアゴが上を向いていました。そこで
 
いろは接骨院
アゴをひいたまま、カラダを後ろにそらせてみてください

とお願いしたところ、先ほどより全然カラダを反らせなくなりました。
 
これで最長筋の疑いが強まりました。
最長筋とは下の図のように骨盤から首の付け根まで走っている筋肉になります(下図の青い筋肉が最長筋です)。

 
触察をすると最長筋の腰椎部にかなりの硬結と圧痛がありました。
次はエコーによる観察です。
 

エコー観察

先ほどのカラダの動き検査で疑いの強かった最長筋を目指してエコー観察を行います。
するとありました。fasciaの重積が。
タブを押すと画像が切り替わります↓

エコー画像エコー画像解説ありファシアの重積






正確にいうと最長筋と腸肋筋の境い目にあたる部分でのファシアの重積であることがわかりました。
以前にもこんな症例ありましたね(笑)

腰痛に対するエコー観察fascia筋膜リリース~最長筋と腰方形筋の接合部


 
さて悪さをしている原因がわかりましたので成敗したいと思います。
 

Fasciaリリースを実施した結果

エコー画像の変化をご覧いただきます
タブを押すと画像が切り替わります

エコー画像エコー画像解説あり





 
 
身体を後ろにそらしてもらいました。
 
40代女性さん
先生!アゴひいても反れる!

いろは接骨院
首は回りますか?

40代女性さん
回る!!え?なんで?

いろは接骨院
施術した筋肉は腰から首の付け根までついている筋肉なので首が回らない原因もその筋肉にあったんですよ

 
これにて一件落着です。
その後、LINEでのやり取りはこんな感じでした。

これにて治療(施術)も完了です。
 

まとめ

患者美
なぜ腰部の施術で首の回旋制限が取れたんですか?

いろは接骨院
先ほどリリースした最長筋(と腸肋筋の間)の筋膜はもともと硬かったのだと思われます。
それが最長筋を通じて左の肩から首の筋肉に良くない影響を普段から与えていたせいで、ちょっとしたことで首、肩の筋肉がつった。その結果、首や肩の筋肉にも変な力が入ってしまったのでファシアの重積があった腰部に痛みが発生した、と推測されます。

 
いろは接骨院
首が回らない原因が腰から発生しているという珍しいケースでしたが、無事に治ってよかったですね。

 

筋膜リリース、Fasciaリリースがどんなものかはコチラ
https://168168168.jp/iroha-do/fascia-release/

 

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