このブログは次のようなお悩みをお持ちの方に向けて書いています。
- 腕を前や外側からあげると肩から二の腕にかけて痛みが走る
- 夜寝ていて寝返りをすると痛みで目が覚める
- 痛みが出た後しばらく(数分~数十分)引きずる
- 痛みが出る位置がころころと変わり押したりしてもわかりにくい
これらはいわゆる四十肩と呼ばれる疾患の症状になります。
上記の症状があり、すでに病院や接骨院で筋肉や関節に運動療法をうけている人も少なくないでしょう。
しかし通院してもあまり効果が感じらない場合、それは神経の圧迫が原因になっているかもしれません。
なかなか痛みが取れないというのは不安に感じてしまいますよね。このブログはアナタの四十肩が上記のような症状がでる原因と当院でおこなっている改善法を書いております。
どうして神経が原因になるのか?
神経は筋肉と骨のすき間や筋肉自体をとおりぬけて分布する部位に向かいます。筋肉でできたトンネルを神経がとおり抜けるイメージを持つとわかりやすいかもしれません。
肩の周辺には筋肉がたくさんあるので、このトンネルがたくさんできています。これが腕をあげたり、寝返りをうって体勢が変わると筋肉が引っ張られ、そのトンネルがせまくなって神経が締め付けられるのです。
神経がしめつけられると、その神経が分布している部位を「痛みが発生している場所」と脳がカン違いします。ですが痛みを感じている位置に原因があるわけではないので、その場所を押しても痛みがありません。ですから痛みの位置がハッキリとわかりにくいのです。
よくある神経の圧迫の症例
当院によく来院する「腕をあげると肩の外側から二の腕にかけてが痛む」患者さんを例にあげてみましょう。
患者さんの痛みをうったえる部位はこの辺りになります。
その部位を担当している神経は「上外側上腕皮神経」という神経です(先ほどの図のように腋窩神経という神経の名前で呼ばれる場合もあります)。
上外側上腕皮神経の走行はこの図のようになります。
すこしわかりにくいと思うので、カラダの上にのせるとこんな位置になります。こうすることで神経の位置と痛がる場所が一致しているのがわかると思います
この筋肉と骨のすき間を通りぬけて、カラダの表面に近い部分に神経が出てきます。この位置で神経が締め付けられると考えると先ほどの場所が痛むのがわかるかと思います。
どうすれば痛みが治まりやすくなるか
この神経の圧迫を取り除いていくことが痛みをとる手段になります。
上に書いてある上外側上腕皮神経がしめつけられている場合、トンネルを構成している筋肉が3つあります。上腕三頭筋、大円筋、小円筋という筋肉です。あと骨が1つあるんですが、骨をうごかすことは難しいので筋肉だけを見ていきましょう。
これらの筋肉にアプローチしてトンネルを大きくすることができると神経の圧迫が取れ痛みが改善します。
実際に施術として行うと次のようになります。
実際の施術はどんな流れになる?
当院でのやり方にはなりますが、一例として実際の施術の流れを紹介します。
1.神経以外の原因がないかチェックする(主に初診時)
実際に施術をしようとするときに神経の可能性が高いとはいえ、他の原因がないかのチェックが必要です。
エコーによる観察を行い、筋肉の断裂や石灰の沈着がないかを調べる必要があります。これらがなく痛みが発生する場合や、患者さんの痛みの訴え方をきいて神経が締め付けられているケースを疑います。
2.腕をうごかして痛みがでる場所を確認
先ほどの上外側上腕皮神経の場合だと肩の後方や外側の辺りを指し示す形になりますが、違う範囲をおっしゃる患者さんもいます。例えば肩の前のほうだとこれは違う神経が原因となっていることがあります。
患者さんの痛みがどの神経が原因になっているのかを見極めなければなりません。
主な神経とその分布の図がありましたので引用して掲載しておきますね(患者さんはここまで調べる必要はあんまりないですけど笑)
3.神経の圧迫をしている筋肉をリリースしていく
どの神経がしめつけられているか見極められたら圧迫の原因となっている筋肉にアプローチをしていきます。
先ほどの上外側上腕皮神経だと下図の上腕三頭筋、大円筋、小円筋がリリースのターゲットとなり、すき間を拡げたいトンネルがQLSと表記されています。
画像引用:脊椎エコーのすべて 頸肩腕部痛腰臀部痛治療のために 日本医事新報社
4.動きや痛みの出方の変化をみる
うまく神経の圧迫が変えられると、その場で動きや痛みが変化することも少なくありません。痛みが少しでも減ると患者さんはカラダだけでなく気持ちもラクになるので表情もかわったりします。圧迫されている場所も一カ所とは限らないので少しずつ変化する場合もありますが、何にも変わらないというのはありません。
5.2~4を繰り返していく
痛みのでる範囲を確認しながら、そこの原因となっている神経の走行を考えます。そのとおりみちとなっているトンネルが狭くなる部分をひろげてまた確認。
これの繰り返すことで患者さんは徐々に痛みが取れていき、腕の上がりといった可動域も拡がっていくことが多いです。
まとめ
今回の内容はいかがだったでしょうか?
ご自身で対処できそうなことがあれば、ブログを参考にぜひ試されてみてください!
痛みも強く、もしご自身での対処が難しそうであれば、お近くの整形・整骨院で一度診てもらうことをオススメします。
当院でも今回の症状に対する専門的な施術を行っておりますので、下からネット予約も可能となっております。どうぞご利用くださいね!