院長ブログ

腰の真ん中が痛い!背骨に痛みがある腰痛の2つの原因と改善法

2022年2月3日更新

腰の真ん中が痛い
三重県四日市市でいろは接骨院の院長、服部です。

わたくしも経験がありますが、腰が痛いのはホントに辛いですよね。
アナタも早く何とかしたいと思ってこの記事にたどり着いたかもしれません。

当院ではこれまで数多くの腰痛の患者さんに対して治療(施術)をさせていただきました。
このブログではその症例の解説します。腰痛でお困りの方が、自分になにが起こっているのか?を少しでも理解して治療を受ける際に安心してもらいたいからです。

また正確な原因の究明なくして早期回復はありません。お仕事に早く復帰するためにもこの記事を参考にしてもらえばと思います。

今回は痛みの場所を聞いたときに腰の真ん中に痛みを訴える患者さんは何が原因なのかを解説していきたいと思います。

背骨付近で痛みの原因となる組織

いきなり結論となる部分を書きます。
痛みの自覚症状が腰の左右に対して真ん中付近の場合、次の二つが主な原因です

  • 椎間関節
  • 多裂筋

ちょっと専門的になってしまいますが、痛みが出ている部分には何の組織があるのかを知らなければ前に進めません。これらがどんなものなのかを少し見ていきましょう。

椎間関節

腰椎の椎体の上関節突起と下関節突起からなる関節が椎間関節です。椎間関節性腰痛という言葉もあります。
棘突起と呼ばれる背骨の真ん中の突起(背中の中心で触れる部分)から2~3㎝左右の外側かつ1㎝ほどお尻の方にずれ込んだ場所にあります。

腰の真ん中が痛い原因の椎間関節
椎間関節の役割は腰椎の前後の動きに対応しています。ですから椎間関節の関節包にファシアの重積と呼ばれる硬さがあると動きが悪くなり炎症や痛みの原因となります。

またファシアに存在する痛みを感知する神経が過敏に反応してしまい少しの刺激で痛みを感じることになります。

多裂筋(の筋膜)

多裂筋は腰椎の棘突起と椎間関節の間にある筋肉です。
脊柱起立筋の内側にある筋肉で椎体の棘突起についているので右の多裂筋が働くと身体は左にひねられ、左の多裂筋が働くと身体は右にひねられます。

腰の真ん中が痛い原因の多裂筋

※引用文献「ファッシャルリリーステクニック 身体構造のバランスを整える筋膜リリース技術」James Earls & Thomas Myers
(※緑の矢印が多裂筋)

腰が痛い際に起こっているのは多裂筋にキズなどがついてるわけではなく、多裂筋の筋膜にこちらもファシアの重積が溜まり多裂筋の働きを阻害しているために筋肉に硬さがうまれます。
それによって多裂筋が伸ばされる状態で痛みを感じる、というわけです。

ファシアの重積とは
聞きなれない言葉である「ファシアの重積」とはどんなものか?ということを他のページでも書いてありますのでご一読ください
https://168168168.jp/iroha-do/fascia-release/

その他の組織

いろは接骨院
以上の二つが主な原因となります(腫瘍などの接骨院で診れないものは省いてあります)。この二つを疑って切り分けし、治療に入るわけです
患者美
先生、いわゆるヘルニアってのは背骨のところで発生するんではないんですか?
いろは接骨院
椎間板ヘルニアは確かに背骨の椎骨のところで発生しますが、痛みを訴える位置が違います。
ヘルニアや脊柱管狭窄症で痛みを訴えるときはお尻の下から太ももの裏といった坐骨神経の位置を痛いとおっしゃることが多いです
患者美
子供の場合も同じですか?
いろは接骨院
いい質問ですね
子供さんの場合、腰痛を訴えるのは要注意です。
とくに背骨付近では腰椎分離症すべり症といった骨の負傷を伴っているケースがあるからです
患者美
どんな子供さんがなりやすいですか?
いろは接骨院
バレーボールやハンドボールといったカラダを反らせることの多いスポーツ、部活をやっていたら可能性が高くなりますね
そんなときはレントゲンを撮りに行ってもらうのも一つの選択肢です。

二つの組織の鑑別の方法

二つの組織のうち、どちらが原因なのかをはっきりとさせなければなりません。
そのために次の3つの手順を使って確定していきます。

  • 動きによる痛みの発生の仕方
  • 押して痛い場所
  •  エコーによるファシアの重積の確認

実際の患者さんのケースをご紹介しますので、それぞれどんなものか見ていきましょう。

実際の患者さんの主な訴え

患者さんからの来院前のLINE(言いにくい笑)です


おじぎや後ろへ反らす動きが相当痛いとのことです。
ちなみにお仕事はパーソナルトレーナーさんです(許可を取っての掲載です)。

来院後に痛みの場所を確認しました。

いろは接骨院
痛みの場所はどこですか?
A さん
真ん中あたりなんですよね

と答えこの辺を指さしました。


これは背骨の椎間関節の位置を示していました。

動きによる痛みの発生確認

先ほどの項目でも書きましたが多裂筋は身体をひねる動作を、椎間関節は身体を前後に倒すときにたくさん動くことになります。

なので、この二つの動きをしてもらうことが切り分けの第一歩となります。
(写真は実際の患者さんに後日送っていただきました。ありがとうございます)

椎間関節が悪い場合に痛い動き

多裂筋が悪い場合に痛い動き

LINEでのおっしゃっているように前後の動きが痛いとのこと=椎間関節の原因である可能性が高そうです。

圧痛(押して痛い)箇所の確認

押して痛みの発生する位置で鑑別をします。

ファシアの重積がある部分は押されるとなんとも言われぬ痛みが発生します。
ズキっという早い痛みもあればズーンという遅い痛みの場合もあります。

痛みがでる位置はこのようになります

椎間関節が悪いときに押して痛い場所

椎間関節(緑の〇)という部分が押して痛くなります。背骨の出っ張りから大体2~3cm離れたところがピンポイントで痛みます

多裂筋が悪いときに押して痛い場所

青の多裂筋という部分が押していたくなります。背骨から3~4cmくらいまでが痛むことが多いです。

エコーによる確認

実際にカラダの中を見ることのできるエコー観察を行うことで実際のファシアの重積が確認できます。

エコーで精査をしましたところ、椎間関節の真上というよりはほんの少しズレたところにファシアの重積が強くでていることがわかりました。

どうやって改善するの?

当院でのやり方にはなりますが、実際にこの患者さんに行った施術をご紹介します。

超音波治療器でファシアの重積に熱を加える

筋膜リリースの施術を行う前に超音波治療器を用いて、患部に熱を加えます。これによって重積となっている部分が柔らかくなりリリースがかかりやすくなります。

ファシアリリース治療(施術)を実施

熱を加えたあとで当院で行っているファシアリリース治療を行いました。
※画像はイメージです

筋膜リリース

エコーの画像はこちらになります。エコー画像

エコー観察をした椎間関節の部分だけでなく胸腰筋膜のリリースもプラスアルファとしておこなうと腰痛には効き目がありますのでそちらも実施しました。

ファシアリリース・筋膜リリースのいろは接骨院での考え方はこちら
https://168168168.jp/iroha-do/fascia-release/

痛みの確認をする

最初に痛みの出た動きと同じ動きをしてもらい、現在の痛みを数字で表してもらいます

いろは接骨院
最初の痛みを10とするといま痛みはどれくらいですか?
A さん
3くらいです
いろは接骨院
それなら十分ですね
もしまた調子悪くなったらきてください

2日後

A さん
(初診日:10→3)→(昨日:3)→(本日:5)くらいになったから一応きました。

とおっしゃって再度来院されました。
で施術したら1になったとのこと。

1になったらもう自然にしていても痛みが引いていくと思います。

いろは接骨院
これにて施術終了ですが、ファシアの重積が溜まりやすい身体の使い方をしているんでしょう。
ぎっくり腰の予防のために月に一度くらいメンテナンスにこれば痛みがでるリスクがかなり減らせると思いますよ

とオススメさせていただきました。

まとめ

いろは接骨院
背骨付近の腰痛は椎間関節多裂筋が大きな原因といえます。
動きや圧痛(押して痛い)部分を調べることでどちらか見分けることができます。

この記事がみなさんの腰痛の原因を突き止める参考になれば幸いです。
キチンと原因を把握してキチンとそれを除去してあげれば今回のように少ない回数で治療が完了することも多いです。

治療(施術)自体は専門家に任せましょうね

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