いろは接骨院の服部です。
今回もSNSを通じてご質問をいただきましたのでご紹介します。
質問のやり取りをこうやって記事にさせていただくと他の人のためにもなるのでどしどしご質問ください。
質問内容
舟状骨の骨が筋肉によって離れていると言われました。どーすればいいでしょうか
いろは接骨院の回答
足の舟状骨の痛みについて
ここからは足の舟状骨に痛みがある場合について紹介していきたいと思います。
まず舟状骨はココにあります。
この位置に痛みがでた場合、次のような傷病が疑われます。
舟状骨骨折
今回、質問をいただいた方が15歳ということですので、その年齢とスポーツを頑張っているという環境を考えると、次にでてくる有痛性外脛骨の可能性が高いと思われます。しかし、痛みが出始めたきっかけとして軽い捻挫を繰り返していたとのことですので、舟状骨にキズがついて骨折しているという可能性もあります。
骨折というとレントゲンを撮れば診断がつきそうなものですが、もともと外脛骨として骨が二つに分かれていた場合、その判断は非常に困難なものになります。
万が一骨折していた場合、非常に骨のつきが悪いことが多いため、しっかりと固定をすることが必須となります(下にも書いてあります)。
有痛性外脛骨
有痛性外脛骨についてはこちらの記事に詳しく書いておりますので、ここではカンタンに説明いたします。
https://168168168.jp/painful-outside-the-tibia/
10歳前後になるともともと二つの骨だった舟状骨がひとつの骨に癒合されます。これがうまくできない状態が外脛骨といわれます。
しかし、癒合がされずに二つに分かれていても痛みが出る場合とでない場合があって、痛みがあるものを有痛性の外脛骨とよびます。
後脛骨筋付着部症
舟状骨骨折と同様に外傷のようなきっかけがあって痛みがでることが多いです。
こちらの記事に詳しく書いてありますのでご参考にしてください。
https://168168168.jp/pain-inside-of-foot/
舟状骨の痛みの見分け方
上記の3つの症例ですが、どのように見分けるのでしょうか?
今回はもともと舟状骨が二つの状態であることを前提として紹介します。
レントゲン
もともと舟状骨が二分されていることを考えるとレントゲンのみの判断は少し弱いかもしれません。
今回の質問してくださった方のように捻挫の既往や発生原因がなければ、レントゲンだけでの判断も可能かもしれませんね
エコー観察装置
エコー観察ではドップラー機能を使った血流反応の有無を確認することが可能です。
この血流反応がみられる場合、舟状骨骨折の可能性が高いです。
患者さまのご協力のもと掲載しております。
治療について
舟状骨骨折、後脛骨筋付着部症
患部のしっかりとした固定が必須となります。
当院の臨床経験としては一か月を超える固定を行いました。
後脛骨筋付着部症でも後脛骨筋にキズがついていることが多いため、初期に行う治療としては固定になります。
当院でよく使われるインソール組込式U字ギブスシーネ
有痛性外脛骨
筋膜整復による全身に対する施術が有効です。
基本的に若年層に起こる傷病なので痛みをとる施術を行うことによる効果は大きいです。治りもいいといえます。当院では2~3回の施術を行うことで痛みをほぼなくしています。
まとめ
舟状骨が割れている場合に注意すべきは、自然に痛くなったものか、それともひねるなどの発生原因があったかという点になります。
それはすなわち骨折が潜んでいる可能性でありその有無の確認が重要となります。もちろんひねったから必ず骨折というわけではないのですが、レントゲンでも見つけにくいということを理解しておけば、もし治りが悪かった時にいろんな選択肢がでてくるのではないでしょうか。
このような可能性やケースがあるという一例をご紹介させていただきましたのでご了承ください