年末にシンスプリントの記事を書かせていただき、そこからSNSを通じてご質問をいただきました。
カンタンではありますが記事としてご紹介したいと思います。
質問内容
使わないで済む方法はありませんか?
いろは接骨院の答え
判断材料として一番わかりやすいのは固定(あとで出てきます)をした状態で足をついて体重をかけたときに痛みがでる場合は必要ということです。
体重がかかったくらいで痛みがでるというのは患部にかかる力が治癒を遅らせる方向に働いているということだからです。
一般的に松葉杖が必要なときはどんなとき?
ここからはシンスプリントや疲労骨折だけでなく、一般的にケガをして松葉杖が必要な場合はどんなときか?を紹介します。
ギブス固定などで歩行に障害が発生してる
ギブス固定が足首の下から膝の上くらいまで必要な場合があります。すねの骨が完全に骨折してるような場合です。
このときギブスが邪魔で歩行に著しい障害が発生しているので単純に歩きにくいですよね(上の写真のような)。
この場合は移動するという目的のために松葉杖が必要になります。
患部にかかる力が良くない方向である
骨折の治癒が早まる条件・遅れる条件というものがあります。
患部に「剪断力(せんだんりょく)」という力のかかり方をする場合、治癒のための条件がいいとは言えません。
剪断力とは下の図の右側のような状態です
①体重による力
②骨折患部に働く力
③骨折の向きにより患部が離れようとする力
このような場合、体重がかかることで患部に剪断力が働かないようにして、骨折の治癒が遅れるのをふせぐために松葉杖が必要といえます。
荷重をかけて痛みがひどい
シンスプリントや疲労骨折では
・ギブス固定したとしても足首から膝を超えることはない
・骨折が完全なものではないので剪断力を心配する必要がない
ということからこの判断がシンスプリントや疲労骨折で松葉杖の必要性を考える一番の項目になるといえます。
松葉杖のメリットデメリット
ここで松葉杖を使うメリットとデメリットをご紹介したいと思います。
メリット
先ほどの松葉杖が必要とされる状態を回避することができるというのは一番のメリットといえます。
荷重がかかって痛みがでたり、骨折の治癒が遅れることを回避できます。
デメリット
松葉杖の最大のデメリットは「松葉杖をやめるとき」にあります。
これまでかからないようにしていた荷重が患部に加わることで傷口が拡がってしまう場合があります。ですのでなるべく普段の荷重がかかる状態で治療をしていくことが理想だといえます。
これらの松葉杖のメリット・デメリットのバランスを考えて松葉杖を使用するのがいいでしょう。
松葉杖なしでシンスプリントや疲労骨折を治す方法
ここからは当院でシンスプリントや疲労骨折に行っている固定であるインソール組込式U字シーネをご紹介します。
インソール組込式U字シーネとは
当院のブログでも時々でてきます、インソール組込式U字シーネは足首から下の骨の配列を正しい状態にすることですねにかかる力のバランスを整えてくれるものです。
もちろんシーネとして患部の保護や支えにもなるので患部の固定としての役割も果たしています。
この固定法の優れているところは、ギブスを付けたまま松葉杖無しで歩けるということです。
当院ではこの固定をして体重をかけて痛い場合、松葉杖が必要という判断の基準になっています。
※ちなみにこれまで松葉杖を使うことになった患者さんはいません
また松葉杖なしで歩けるということは「自分で学校に行かせることができる」というメリットもあります。
朝と夕方の送り迎えがお母さんたちの負担になるのを減らすことができますね。
当院では足首のねんざの場合にもこのギブスを作成することが多いです。
このギブスを作成して、あとは手技によるシンスプリントの回復手技を行ったりします。
それについてはこの記事をご覧ください
https://168168168.jp/shin-splints-how-to-heal/
まとめ
・シンスプリントやすねの疲労骨折で松葉杖がいるかの判断で一番カンタンなのは体重をかけて痛いかどうか
・痛い場合は患部に良くない方向の力が加わっている可能性があるのでご注意を!
・松葉杖を使うときはメリットデメリットがあるのでそれを判断材料に。
・当院では歩きやすくなるためのギブスをつけても痛みが出る場合、松葉杖が必要と判断します(ほとんどないです)