この記事ではスポーツ障害であるシンスプリントがなぜこんなに治りが悪いのかについて書いてあります。
当院のブログ内に
▼シンスプリントの治療方法
https://168168168.jp/shin-splints-how-to-heal/
▼シンスプリントと疲労骨折の見分け方
https://168168168.jp/shin-splints/
▼シンスプリント用の試合前のテーピングの貼り方
https://168168168.jp/shin-splints-taping/
▼シンスプリントや疲労骨折では松葉杖が必要か?(読者さんからの質問)
https://168168168.jp/shin-splints-crutch/
について書いてあります。どうぞ合わせてお読みください
中学や高校に入学して部活を頑張り始めて1か月がたつ頃、すねの内側が痛くなってくることがあります。
最初のうちはなんだろう?少し頑張りすぎたかなと思っていて少し休んだりしたら痛みがひいていきます。でもまた部活や体育をやっていると同じ場所が痛くなってきます。
こんなことを繰り返しているうちにずっと痛くなったり、以前より少ない量の運動で痛みがでてしまうようになります。
ネットで調べてみるとどうやら「シンスプリント」というらしい。
先輩とかに聞いても同じように痛くなったりしてるから、みんななるものなんだ、と思って部活を続けます。
ストレッチやテーピングでごまかそうとしてネットで調べるといろんなことが書いてあります、それを自分でやっても効果があまりなかったりして・・・気づけばすねが痛くて走れない。
治療のために接骨院に通ってもなかなか治らない・・・
いまこのページを読まれている方はそんな状態かもしれません。
このページでは当院が考えるシンスプリントがなかなか治らない理由をケースごとに解説します。
決して「こんな理由で治らないからしょうがないんだよー」というつもりではありません。
シンスプリントが治らないのは治すための何かが間違っているからなのです。
少しでも早くシンスプリントの治療を終えるために、一生懸命部活に打ち込めるようになってもらうために、この記事を書きました。
これをみて少しでも皆さんに当てはまるものがあれば、それを排除してシンスプリントを治すきっかけになってもらえばと思います。
シンスプリントじゃないケース
すねの内側に痛みが出た時に安易にシンスプリントだと決めつけて(もしくは決めつけられて)いませんか?
痛みが治らない理由の一つに「そもそもシンスプリントじゃない」場合があります。
先輩が同じような痛みを経験をしていて「それシンスプリントっていうんだよ」と言われてそれを信じ込む場合もありますが、危険です。
特によく似た症状に疲労骨折があり、痛みの出方、出る位置、などがよく似ています。
「すねの内側が痛い!シンスプリントと疲労骨折の見分け方と治療とは」より
また整形外科でレントゲンを撮ってもらって「折れてない」と言われたのに痛みが取れず、1か月くらい後に別の整形でレントゲンを撮って「疲労骨折ですね」と言われてしまうケースがあります。
患者さんは「ええ?前の医者ふざけんなよー」って思ってしまうのですが、初期の疲労骨折をレントゲンで確定するのはほぼ不可能です。
そこは医学の限界というもの。患者さんのほうも知識をつけて臨まなければなりません。
あなたのシンスプリントはキチンと検査をしてありますか?
スポーツしながら治そうとするケース
ここからはすねの内側が痛くなり、疲労骨折の疑いをなくすために、エコー検査やMRIを実施してシンスプリントであると確定されてからのお話をします。
シンスプリントとは過労性の骨膜炎とされています。
過労性というのはいわゆる”使いすぎ”ということですのでまずは安静にしなければ治りません。
これを守らずに治してほしいというのは不可能です。
一定期間のスポーツの休止は必要な要素です。
専門家の指導のもと腰を据えて治すと決めたほうが結果として早く治るでしょうし、選手生命も長くなりますよ。
治療方法が間違っているケース
どんなことをしてましたか?と聞くと次のようなものが上がります。
テーピング
ストレッチ(指導)
マッサージ
筋トレ
アイシング
インソール(靴の中敷き、足底板)
少し前までの当院でも行われていたものもあり、効果のあるものもあればまったく意味のないものもあります。
テーピング、アイシング
テーピングやアイシングはスポーツをする前後に行うのは一定の効果があると思います。
がそれをしていれば治るか?というのはあまり意味がないと思われます。
試合前のテーピングについてはこちらの記事も参考になさってください
https://168168168.jp/shin-splints-taping/
マッサージ、ストレッチ
後脛骨筋のマッサージやストレッチというのはあまり意味がないと考えます。
そもそも後脛骨筋はふくらはぎの骨のそばにあるため、体の表面から触ることが難しいです。
また筋肉の付け根が引っ張られて痛いのにストレッチでより引っ張るのはどういうものでしょうか。
筋トレ
後脛骨筋を鍛えられる方法ってものがないです。
あったとして後脛骨筋の筋力があがったことがシンスプリントの痛みとどう関係あるかわたくしにはわかりません(笑)
インソール(靴の中敷き、足底板)
後脛骨筋の負担を減らすためのインソールはある程度有効と考えています。
シンスプリントを治療していくうえで足の回内状態を矯正するのは大事なことだと考えます。
痛みがなくなったあとにまた部活やスポーツを頑張るときに足の負担自体を減らすためにインソールを入れるのは非常に有効です。
足の回内についてはこちらの記事をお読みください
https://168168168.jp/iroha-do/foot-care-and-insole/
治療の対象が間違っているケース
治療をするには、例えばテーピングを貼る場合どの筋肉に対して貼るか、というように治療の対象を決めなければなりません。
この対象が間違って治療をされているといくら治療をしても治るわけがありません。
盲腸でお腹が痛いのに胃薬を飲み続けているのと同じですね。
後脛骨筋じゃないの?
ここまで読み進めて来てくださった熱心に治そうとしている人は、いろんなHPをごらんになって、シンスプリントの原因は「後脛骨筋」が引っ張ってすねの内側が痛いんですよね?
って思っているかもしれません。
または通っている接骨院で「後脛骨筋を緩めれば治ります」と言われて治療をされている人もいるでしょう。
後脛骨筋は足のアーチを形成するための大事な筋肉であるので、そこに走りすぎによる負担がかかって痛みがでるというのは理にかなっています。
治療の対象の一つとなる可能性は高いでしょう。
しかし、あくまで対象の一つなのです。
後脛骨筋は氷山の一角
スポーツというのは全身運動です。
足首だけ動かすスポーツというのがあるかどうか知りませんが・・・
スポーツをするときに後脛骨筋だけ使っているのか?というとそうではありませんね。
走るときに右足をスムーズに前に出すために左腕を前にふります。
ボールを遠くまで蹴るためにカラダをねじります。
ボールをアタックするのにカラダを反らせます。
こんなふうに全身を使っているのに後脛骨筋だけを痛みの理由にすることが間違っていると思いませんか?
ほとんどの接骨院ではこの後脛骨筋に対しての治療をされていると思いますし、そして後脛骨筋が理由の場合も多々あるでしょう。
しかし筋膜や骨膜のつながりを見ていくと本来伸びるべきところが伸びなかったり、逆に縮んでいるべきところが縮んでいなかったりすることがあります。このアンバランスを追っていくとシンスプリントの位置につながっているのです。
つまり後脛骨筋はシンスプリントの原因の氷山の一角なのです
後脛骨筋から筋筋膜経線という筋膜のつながりを見ていくと
後脛骨筋→足底筋→超腓骨筋→第4のハムストリングス→仙結節靭帯と骨盤のほうへ、また骨盤から上半身へとつながっているのです。
まとめ
シンスプリントが治らない理由をあげさせていただきました。
①シンスプリントじゃないから
②スポーツを続けているから
③治療方法が間違っている
④治療対象が間違ってる(もしくは足らない)
最初にも書きましたがこんな理由があるから治らなくてもしょうがないんですよ
という思いではなく、みなさんの治療の参考になればという気持ちで書きました。
これらの理由の一つが原因ではなく複数の理由が組み合わさっている可能性もあるでしょう。
シンスプリントの痛みが消えて競技復帰するまでをテーマにした記事です
こちらもご覧いただけると幸いです。
https://168168168.jp/shin-splints-how-to-heal/